「日本語の大疑問」(著者:国立国語研究所編 発行所:幻冬舎新書)を紹介します。目次を見ると堅苦しい読み物のように感じるかもしれませんが、「やばみ」「うれしみ」の「み」はどこから来ているのか? 、絵文字が日本発祥、デパートでお客様に知られずに伝えたい業務連絡、海外のキラキラネーム、奇妙な外来語、明治時代に犬を「カメ」と呼んだ? などの話題が書かれています。 音読みの漢字は、2拍の長音と1拍の短音の組み合わせでできています。令和の場合は、長+短です。平成は長+長、昭和は長+短となります。過去に遡ると、長+短と長+長が交互になっているようです。日本人は、「2+2」「2+1」、「強+弱+強+弱」あるいは「強+弱+強」のリズムを好むようです。赤ちゃん言葉で、バーバー、ジイジ、ブーブーはありますが、ババーはないですね。大人になってからババーという人はいますが。
「思う」と「考える」の2語は、「思考」に関する動詞です。どのように使い分けていますか? 「思う」は、「情緒的・一時的な思考」で、「考える」は、「論理的・継続的な思考」の時に使うようです。「自分の意思でコントロールできる度合」の場合は「考える」を使うようです。 次に例を挙げてみます。括弧のどちらを使いますか? 私の場合、今まで「思う」と「考える」を結構使い分けてきたように思います。根拠がある場合や断定したい時に、「考える」を使ってきました。 皆さんはいかがでしょうか? 日本語も時代と共に変遷していくようです。
- 不満に(思う、考える)。 うれしく(思う、考える)。 ←感情的な思考
- 故郷を(思う、考える)。 母を(思う、考える)。 ←情緒的な思考
- 誰かと(思ったら、考えたら)あなたでしたか。 ←一時的な思考
- 少子高齢化の原因を(思う、考える)。 ←論理的な思考
- 明日までに(思います、考えます)。しばらく(思う、考える)時間をください。 ←継続的な思考
- くよくよ(思うな、考えるな)。 バカなことを(思うな、考えるな)。 ←考えることは止められる
第1章 どうも気になる最近の日本語
第2章 過剰か無礼か?敬語と接客ことばの謎
第3章 世界のことばと日本のことば
第4章 どちらを選ぶ?迷う日本語
第5章 便利で奇妙な外来語
第6章 歴史で読み解く日本語のフシギ