有限要素法の先に進もうと思ったのですが、トラブってしまいましたので、話題を変えます。品質工学や実験計画法で用いる直交表がなぜ直交表と呼ばれるかについて、Excelを用いて検証してみました。以前「直交表の意味は?」でも似たようなことをやっていたので、あまり進歩がないと思っていますが、今回はよく使用するL18直交表で、本当に直交した割り付けになっているかをみています。
資料はこちら → 直交の意味
p.1 相関係数の復習です。2つのベクトルの相関係数rは、ベクトルの内積を各々のベクトルの大きさで割ったもので、cosΘとなります。Θは2つのベクトルの交わる角度です。
p.2 L18直交表は制御因子A~Hで割りつけられています。割付表の数字は水準です。8つの制御因子から2つ選ぶ組み合わせは28通りあり、各々の組み合わせにについて、相関係数rつまりcosΘを算出すると、全てゼロとなります。今回使用したExcel関数は「=CORREL(〇:〇,〇:〇)」で2列分のセル範囲を指定すれば、計算できます。計算すると、28通りの全ての列の組み合わせは相関係数0で直交していることがわかります。
p.3 水準1を-1、水準2を0、水準3を1として、割り付け表に代入して、内積を計算してみます。内積は、列ベクトルの成分同士(同一行の数値)を掛け合わせ、加算して算出できます。 全ての組み合わせの内積はゼロになりますので、列ベクトル同士が直交していることがわかります。
Excelファイル → 直交表の特性
相関係数は内積と関連しているので、当然な結果ですが、何れも直交していることがわかりました。品質工学で用いるL12、L18などの直交表は各列が相関していないので、各列の効果が独立して評価出きる訳です。