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電波時計は大丈夫?

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データインテグリティ」について、以前「データは完全ですか?」「性悪説に対応する機器」「誠実か完全か?」取り上げました。 大手企業がデータの改ざんをしてニュース沙汰になり、ますますこの言葉がクローズアップしてきました。 データの中には、「時刻」と紐づけられたデータがあります。時系列的にデータをトレースすると、改ざんが露呈するわけです。分析機器にタイムスタンプ機構がついているものもあります。タイムスタンプとは、ある行為・作業した時刻を自動的に記録するシステムで、「時刻管理」のツールとして利用されて来ています。欧米、特に米国は性悪説に基づいて「時刻管理」については、法令ガイドラインにも定めております。「時刻管理」についてまとめてみました。

資料はこちら → 時刻管理

p.1  MHRA(英国の医薬品・医療製品規制庁)やPICS(医薬品査察協定及び医薬品査察共同スキーム)では、時刻管理が求められています。日本のGMPPICSも準拠していますから、中央の黄色の部分について、整備しておく必要があります。医薬品での規制ですが、医療機器も必要に応じて同様な「時刻管理」が必要だと思ってください。

p.2 管理対象の時計をピックアップしています。誰が管理するかの一例です。時計の時刻を合わせる人任命する人は第3者にする必要があります。

p.3 時刻管理幅の模式図です。時報などの標準時刻に対して管理幅を設定して、外れた場合は逸脱処理となります。許容幅を設定して外れた場合、外れそうな場合は、修正処置をとります。そのために、アクションレベルアラートレベルを予め設定しておきます。

p.4 許容幅をどのように設定するかが難しいですね。±1分の時計があったとします。工程Aでは、30秒以内や1分以内という機器があり、工程Bでは同じ機器でも時間的な制限がない場合です。工程Aでは±1分は不十分でさらに誤差が小さい秒単位の時計が必要です。工程Bは、±1分では過剰な管理となってしまいます。 従って、求められる作業の時間制限を考慮して時計の許容幅を設定する必要があります。

p.5 時刻管理を運用するために決めることを列挙しておきます。1)、2)先ずは管理する時計を抽出して、管理幅を決めていきます。3)~5)も管理手順として定めておく必要があります

電波時計は時報に合わせて都度修正してくれますが、電波が届かない場所では追従してくれないので、注意が必要です。

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