錯視が好きで「見方で騙される」「矢印がいつも同じ方向を向く」などで何度も取り上げてきました。今回、錯視の第一人者の杉原先生の著書「錯視図鑑」(著者:杉原厚吉 発行所:誠文堂新光社)を読みました。実にたくさんの錯視が紹介されています。その中で、気になったものを資料にしてみました。
資料はこちら → 錯視
p.1 フォントを「HGP創英各ゴシックUB」と「HGP教科書体」の2種類で書いた文字列をご覧ください。左のHGP創英各ゴシックUBが傾斜しているように見えませんか? 文字の横棒が徐々に下がるあるいは上がるように配置すると全体が傾斜するように見えてしまうのです。ノコギリの刃のようにはならないのが不思議です。 HGP教科書体は横棒が右肩上がりになっているせいでしょうか、全体は傾斜しているようには見えません。 教科書体というぐらいですから、この辺のことも考慮しているのでしょうか?
p.2 図形が短く・長く見えたり、太く・補足あるいは曲がったり見えるのは、平滑化が原因のようです。例えば2つの黒で白が挟まれた場合、平滑化が生じて、エッジが拡がるように見えます。グラデーションの場合は、逆に真中の層が狭まるように見えます。
p.3 ヘルマン格子は、白が交差した場所に灰色の●が見える現象です。これも平滑化によって黒と白の中間色の灰色の丸が見えるそうですが、右のハーマン格子をご覧ください。 この場合は灰色の●は見えないのです。平滑化が働く場合と働かない場合の機序はまだわかっていないようです。
杉浦先生は、いろいろな立体錯視について、動画で説明しています。眺めるだけでも面白いです。
杉原先生の自主講座のページにある動画ご覧ください → http://www.isc.meiji.ac.jp/~kokichis/3Dillusionworld/3Dillusionworldj.html