この秋に衆院選が予定されています。選挙の開票が始まって間もなく当確になることがよくあります。いつも不思議に思っていたのですが、「統計的推定」という手法も使われているようです。これだけではないようですが。 そこで、統計的推定を試してみました。
資料ご覧ください → 投票率
「最終的に60%の得票率である候補が当選する選挙において、当確となるのはいつか?」という問題を計算してみます。信頼係数95%(5%は間違えるかもしれない)のとき閾値は1.96でしたね。ルートの項が標準誤差ですので、ピンクの枠内が誤差になります。投票人数nの時の対象としている候補者の得票率がrとします。 最終的な得票率をpとした時の得票率pの推定範囲が不等式のように表されます。 ここでr=60%として投票総数nを変化させた場合の誤差を計算した表を示します。得票率r=60%以外の誤差も計算しておきます。 この誤差を用いて、最終得票率pの推定値を右端に計算しました。この値を投票総数nに対してプロットしたものが、左のグラフです。投票総数n増加に伴い誤差は低減し60%に漸近していきます。 得票率が50%以上で当選ですので、50%のところに水平線を引きました。100人弱のところ(赤い矢印)で推定値の下限が50%以上となります。 つまり、100人投票すると当確となる可能性が高くなる訳です。 今回の計算の前提は、どの投票総数nにおいても、この候補者の得票率は60%前後で一様であったとしています。 ただし、何万人の結果をみなくても、ある程度得票率は推定可能になります。 得票率が高くなるとさらに少ない投票数で当確となり得る訳です。得票率80%とれる候補者であれば、一桁の投票数でも計算上は当確になります。 実際の当確は、出口調査結果など様々なデータを基に確度を上げているようです。