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ここでもゴールのイメージ

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新人研修で、製造条件設定の演習を実施しているところですが、複数あるパラメータの関連性で皆さん悩んでいるようです。実験計画法品質工学であれば、パラメータをピックアップすればある程度、直交表の組み合わせで何とか実験はできますが、従来の方法の場合、一度に動かせるパラメータの数に制約があり、慣れないと関連性を見極めるのが難しいですね。 こんな時の進め方のコツを述べます。 事例としては、キャップをコネクタに嵌合する際に、エアーシリンダーの推進力を利用し、要求される嵌合強度を得るという実験系です。

  1. どのような実験を目的とするか(ゴールをイメージする)→ 嵌合に影響を与えるパラメータを調合して要求の嵌合強度を得る
  2. 原理原則をできるだけに表して考える  → 嵌合強度エアーシリンダーの推進力=(エアー圧力)+(シリンダーヘッドの衝撃力)-(キャップが外れようとする力
  3. 結果を予想して実験計画を立案する
  4. 実験を実施して、予想した結果通りか、異なる結果になったかを検証する
  5. 検証に不足している追加実験を実施する

のような流れで進めるとよいと思います。 3の計画時に、エアーシリンダーの推進力を安定にさせるためのパラメータ設定を考慮する必要があります。エアー圧力は、エアー圧力調整器で決まりますね。(シリンダーヘッドの衝撃力)は、シリンダーの下降スピード及びエアー圧力大小関係に依存します。衝撃力を小さく抑えるのか、利用するかによって、パラメータ設定方法が変わります。(キャップが外れようとする力)はどのように処理すればよいでしょうか? 外れようとする力がなくなるまで押し込み続ける必要がありそうです。 外れようとする力は、キャップ材質硬い柔らかいかによっても違いが生じます。 以上のことを、考慮して方針を決めないと計画が立案できません。 何気なくパラメータを組み合わせただけでは欲しいデータは得られないのです。

上述の実験を経験されていない方には、何を言っているか皆目不明なことだと思いますが、要は、ゴールをイメージして、原理原則に従って実験計画を立案することが期待する実験データを与えてくれるということを理解して欲しいと思います。 ゴールをイメージしては、「万能な「手順(思考回路)」「的(まと)と標(しるべ)の違い」とは?」の仕事の進め方と同じです。 オリンピック選手ゴールをイメージできた人メダルを獲得しているはずです。

 

 

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