昨日紹介の河合隼雄先生は、日本神話について面白い説を唱えています。私が説明するより、以下の動画をご覧ください。8分ぐらいの話ですが、「あるある」と思いながら聞いてしまいました。
中空構造について → https://www.youtube.com/watch?v=FDVlLiVeHz4
先生は、この中空構造を神話に登場する神々で説明しています。資料にまとめてみました。
資料はこちら → 中空構造
p.1 下表をご覧ください。3つのステップで分類しています。第1は、独立神です。その後、イザナギとイザナミが共同して日本列島を作り、二人に子供が出来ましたが、火の神カグツチを産んだことにより、イザナミは亡くなり黄泉の国に行きます。イザナギが黄泉の国に追いかけていきますが、見てはならぬものをみてしまい、イザナミが鬼にようになって黄泉の国の軍勢と共にイザナギを追いかけてきます。 逃げきって、水浴している際に左目からアマテラス、右目からツクヨミ、鼻からスサノウが生まれます。 この3貴神の中で、ツクヨミの話はほとんど神話に登場しません。第3ステップでは、コノハナサクヤヒメ(浅間神社の神様)が火の中でホデリ(海幸彦)、ホスセリ、ホヲリ(山幸彦)を産みます。 この3人の中でもホスセリの存在感はありません。
p.2 神様の系譜図がWebsiteにありましたので、載せておきます。p.1の表に載っている神様が赤枠で、存在感のない神様が緑枠です。 3貴神の2貴神は性格が対称的です。温厚と攻撃的に分類されます。残りの神様は存在感を無くした中空的な存在であると河合先生は述べています。「中空構造」は、日本人の思想や宗教観に現れているようです。欧米人に比較して、周りの空気を読む・個人の考えをごり押ししない・根回しするという状況は、この中空構造によるものだとしています。 自己主張の強いリーダーが出現してこないのもこの辺に原因がありそうです。
p.3 神様の系譜図で面白いサイトを見つけました。実際は分かれて絵が描かれているのですが、繋げてみました。天皇の祖先は一番下に出てきます。
参考にしたサイトはこちら → https://kojiki.co/gods.html
日本人の「中空構造」は、最近欧米化して変化しているかもしれませんが、真に強いリーダー(声が大きいとか自己中心ではありません)はなかなか現れてきませんね。 中空構造のバランス感覚は残しておきたいものです。