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見えないようにしているだけ?

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量子力学が続いたので最後に「量子化学のことが一冊でまるごとわかる」(著者:斎藤勝裕 発行所:ベレ出版)を紹介します。量子化学も学生時代に学びましたので、ほとんどは復習でしたが、認識がズレていたことも多々ありました。気になったことをピックアップしてみます。

資料はこちら → 量子とは?その4

p.1 ド・ブロイの関係式は見た覚えがあると思います。物質も全て量子からできているので、粒子であると共にでもあることを関係式で表したものですね。 この章で面白い記述がありました。電子の波長をド・ブロイの式から求めるとX線の波長レベルであると記した後、人間の波長を算出してみるとどうなるか?です。人間の場合、質量が重すぎて波動性は無視できるほど小さい結果となります。右上の図ご覧ください。これでは、人間は透明人間になることはできないですね。

p.2、3 私は化学系出身なので、シュレディンガー方程式というとEψ=Hψの形で覚えていました。一作日までの量子力学の式は時間tが含まれていたので、違和感を感じていましたが、この本を読んで腑に落ちました。ハミルトニアンを二回微分の演算子とすると、Eは波動関数ψの固有値であることを、三角関数の事例で説明しています。 わかりやすい説明です。波動関数、存在確率の関係も分かり易く説明されています。

p.4 この他に原子軌道、分子軌道、混成軌道など説明されていましたが、飛ばします。 漂白剤の原理が書かれていました。衣類の汚れや黄ばみ除去には、酸素系漂白剤還元系漂白剤が市販されています。黄ばみを例にとると、黄ばみ成分は二重結合一重結合が互い違いに繰り返される共役構造を有しています。因みに、かぼちゃ、ニンジン、オレンジジュース黄色β-カロテン(昔は、カロチンと呼ぶ)によりますが、化学構造式はこの共役構造をしています。還元系漂白剤は二重結合を切って、水素2つが結合します。 酸素系漂白剤は、二重結合を切って酸素が割り込みます。 共役系が長いと黄色の色が発色しますが、途中に水素や酸素が割り込んで二重結合と一重結合が互い違いにならなくなり、色が消えます。 左中ほどのスペクトル図に示すように、二重結合のn数が小さくなると、可視光の400nmより短波長の紫外光領域になることがわかっています。エネルギー的には、左上のようになります。

p.5 黄ばみを消すのに「蛍光増白剤」というものが、洗剤に含まれています。代表的なものはエスクリンと呼ばれている化合物で、セイヨウトチノキから得ることができます。下のスペクトルをご覧ください。黄ばんだ衣類の色です。縦軸の反射率とは、白色光(すべての色が含まれた光)を衣類にあてた場合に、反射する割合を示しています。黒い曲線と下のを見比べてください。黄ばんだ衣類は、青系統の色を反射できていないことがわかります。そのため、黄色や赤系統の色が強くなって黄ばんで見えてしまいます。蛍光増白剤は、白色光を吸収すると青系統の蛍光を発光します(真中の図)ので、加算すると右図のように青から赤までの光が反射することになります。白色光が反射されて白く見えることになります。 何か騙されているような気がしてきました。 「増白」なので、表示に偽りはありませんが。ただ、汚れの原因は除去されていないのに、見えないようにしているだけでは? 蛍光物質がなくなったら、また黄ばみが復活ですかね。 除去されていないという意味では、漂白剤も一緒ですね。 汚れ物質を根本的に除去が一番です。

今週一週間、量子力学の話題で終わってしまいましたが、量子力学も生活のあらゆるところに大きく関与しているようです。

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