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ノイズにはノイズを

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昨日紹介した「事例で学ぶデータサイエンスの教科書」は、結構専門的な数式が出てくるので、私も興味があるところだけを拾い読みしています。 過去ブログ「平方和の平方根」で寸法精度は構成寸法の平方和の平方根で算出する話をしました。 さて、問題です「板AとBの長尺の長さを測定する精度が良い方法を考案せよ。 1回の測定の測定精度は同じとします。測定器は同じものを用います。」資料の1ページが問題、2ページ以降は答えに導いていく過程ですので、しばらく考えてからご覧ください。 少ない回数で重さを計るクイズに似ているかもしれません。

資料はこちら → 誤差の伝播

p.1 問題

p.2 復習です。板AとBの長尺をノギスなどで測定した値が、A及びBです。その際の精度が各々ΔAΔBです。板AとBの長尺寸法の和YAB=f(xA、xB)の関数で表されるとします。この関数において、微小距離離れたYAB2点間の差ΔA+Bテーラー展開していきます。このΔA+Bの2乗をnで割ります。平方和をnで割るので、分散Vになります。つまり標準偏差σの二乗ですね。これを整理していくと、板AとBの接続した場合の長尺寸法精度は各々の板の測定精度の平方和の平方根となります。

p.3 いよいよ答えです。一つは、板AとBを繋げた長さ(和)を測定します。二つ目は、AとBを横に並べて、AとBの長さの差を測定します。(板Aの長さYA)=(真の長さA)+(誤差εA)です。板Bも同様に書けます。V[εA]誤差εAの分散(標準偏差σの二乗)です。V[εA]V[εB]は問題にあるように同じσとなります。YA+Bは板AとBと繋げて測定した長さで、これも真の長さ(A+mB)と誤差εA+Bの和です。YB-Aは板BとAの長さの差を同様に示しています。この際の分散V[εA+B]と分散V[εB-A]は何れもσです。板Aの真の長さAハットは(YA+B-YB-A)、Bハットは(YA+B+YB-A)を計算します。ここで寸法誤差が消えます。 次は、青地の文章を読んでください。分散は加法性が成り立ちますので、式を変形すると、板Aの分散と板Bの分散は何れも(σ/2)となります。板Aを単独で測定した場合の分散は、上述示したようにσですので、精度が倍良くなることがわかります。

ノイズキャンセラーという装置ご存知ですか? ノイズの位相の反対の波を当てるとキャンセルされてノイズが消えるというものです。 ノイズを何度も足していくと平均化されてゼロに近づいていくことを利用してFTIR(高速フーリエ変換赤外分光光度計)ができていることを過去ブログ「相性(波長)が合うとパワーが発する」の添付資料のp.15で説明しました。 p.3の答えは、ノイズキャンセラーと似ていませんか?

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