昨日、「正規分布の分散は加法性が成り立つ」という話をしました。 「寸法交差は平方和の平方根」と研修時に習ったと思いますが、まさに上述の定理から来ているのです。次の資料ご覧ください。
資料 → 寸法公差
p.1 寸法公差は、①ワーストケースと②平方和の平方根の2つの考え方がありますが、①はプラスだけあるいはマイナスだけ合算するととても大きな交差になり実用的ではありません。 ②の考え方は寸法だけでなく、計測器を組み合わせた場合の計測誤差でも同じ考え方として用いられています。 L1の長さの棒の寸法公差が±T1、その棒にL2・・Lnと棒が繋がっている場合、全長はL1+L2+・・+Ln、寸法公差Tzが√(T12+T22+・・+Tn2)となります。
p.2 前ページの長さL1=A、L2=B、L3=C、L4=Dそして交差T1=Ta、T2=Tb、T3=Tc、T4=Tdと置き換えてください。長さAの棒の寸法を数多く測定した結果、平均値Aで標準偏差σaの正規分布になります。±3σaの範囲に99.7%の確率で入りますね。B、C、Dも同様です。A~Dの部材を直列に繋いだ長さZの平均値はA+B+C+Dとなります。 分散=σ2なので加法性が成り立ちσz=√(σa2+σb2+σc2+σd2)つまり寸法公差Tz=√(Ta2+Tb2+Tc2+Td2)となります。
統計だけでなく、いろいろなところに「平方和」が登場することに気が付くと思います。 統計を毛嫌いしないでね。 また、平方(2乗)自体も、物理や数学の世界ではあちこちに顔を出しますね。 なぜ2乗なのでしょうか? アインシュタインのE=mc2の式にあるようにエネルギーが関係している?のでしょうね。