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AIの限界

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医療AIの夜明け」(著者:岡田正彦 発行所:オーム社)を紹介します。AIの医療への応用は、AIという言葉が存在しなかったかなり昔から研究されてきています。著者は、50年ほど前からコンピュータの医用応用を研究されてきたドクターです。医学が発達していても誤診率外来で70%入院患者でも30%というショッキングな数値(米国の記事)が書かれていました。医師があまりにも忙しく調べる時間がないことや専門外の経験や知識が少ないことが原因にあるようです。最近電子カルテが導入されていますが、医師により書き方の統一性がなかったり個人情報の開示ができない理由から公開されずに、せっかくのビッグデータをAIが解析することが困難なようです。電子カルテが活用されれば、診断分野の誤診率は低下するものと思われます。 現在、心電図の自動診断はある程度できているそうです。ただ、診断機メーカーが訴訟を恐れて、より重い症状に診断する傾向があったそうです。最終的には医師の判断が必要ですね。 最近では、合併症心不全あるいは近視の予測も可能になってきているようです。

まだまだ個人情報の規制で公開されているデータは少ないのですが、公開されているものがありますので下記に紹介します。

データベース1 → http://yann.lecun.com/exdb/mnist/

データベース2(胸部レントゲン写真) → https://arxiv.org/abs/1705.02315

専門医レントゲン写真420枚を見るのに240分AIはなんと1.5分だそうです。

IBM開発の「ワトソン」がジェパディというクイズ番組に主演した際、ジャンル「アメリカの都市」で解答「そこにある1番大きな飛行場には第二次世界大戦のヒーローの名がついています。2番目に大きな飛行場には第二次世界大戦の戦場の名がついています。」を与えて、その問題を答えなさいという課題でした。 正解は「シカゴはどんなところですか?」に対してワトソンは「トロントはどんなところ????」だったそうです。「???」は答えに自信がない場合に付くそうです。 AIは問題を考えるのが得意ではなさそうです。

過去ブログ「新しい発見はネットワークから」で、山中教授の論文が引用されるネットワークをCytoscapeで検索できる話をしましたが、診断するシステムもこのようなシステムを利用して症例をネットワーク化して構築していくのでしょう。

AIの治療への応用は、診断よりも困難な部分があります。「ダヴィンチ」というロボットは遠隔での手術が可能ですが、実際に目で見て手を動かしているのは人間です。 これをAI搭載のロボットが全て判断して手術をするにはかなりの障壁がありそうです。

AIが活躍できるものとして、おしゃべりロボットがありますね。 テス(Tess)というチャットボットはうつ病対策として商品化されています。ただ、人間の深い感情や悩みをAIが理解しているわけではないので、有効かどうかわかりません。今後もAIの医用応用は進んでいくものと思われますが、人間のを理解できない以上は限度がありそうです。

 

 

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