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ピリオド楽器が見直される

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音楽続きですが、「佐伯茂樹の本 新名曲解体新書」(著者:佐伯茂樹 発行所:音楽之友社)も音楽オタクにとっては、参考になる本です。佐伯さんはトロンボーン奏者でもあり、「ピリオド楽器」のよさを日本に広めた方でもあります。「ピリオド楽器」とは、その楽曲が作曲された当時の楽器で、今は改良されて来ているので「モダン楽器」と言われます。次の動画をご覧ください。ホルントランペットには現在ようなバルブがありませんね。ナチュラルホルンとかナチュラルトランペットと言われており、倍音しか音は出せません。オーボエリコーダーに似ていて、現代のようなキーがついていません。ナチュラルホルンでは、ベルに入れる手の入れ方次第で、バルブホルンには出せない音も出せるようです。

ハイドン作曲の交響曲第60番「うかつ物」です。→ https://www.youtube.com/watch?v=lKafJzGgEA8

では、23:17からの第6楽章をご覧ください。開始後しばらくしたら、急にチューニングを始めます。楽譜に指定されているようです。 ハイドンは時々曲の中に遊びを入れていますね。 急にビックリさせたり、おもちゃのラッパを登場させたり、第45番交響曲「告別」では、演奏者が一人一人退場していってしまいます。これは雇主の領主に楽団員の帰郷要望を伝える理由があったそうです。

過去ブログ「トイレ掃除道具も楽器になる?」でミュート(弱音器)の話をしました。 どんな楽器でも弱音器は存在します。 打楽器にはどうするのでしょうか? 次のマーラーの第5番第1楽章の冒頭をご覧ください。 佐伯さんは、よくこんなところを見つけたものです。

動画の1:37をご覧ください → https://www.youtube.com/watch?v=vOvXhyldUko&t=152s

スネアドラム(小太鼓)の上に黒い布が被せてあります。 モーツアルトの楽譜には「bedeckt(覆いかける」と指示している曲もあるようです。現代では、弱音器音色を変えるために使われていますが、昔は宗教的あるいはなどの意味合いが強かったようです。

楽器の名称に続いて「ダモーレ」と付くものがあります。「ヴィオラ・ダモーレ」「オーボエ・ダモーレ」「クラリネット・ダモーレ」などがあります。オーボエもクラリネット何れも先端のベルが球根状にすぼまっていますので、こもったような柔らかい音になります。ヴィオラ・ダモーレの構造は複雑です。ヴァイオリン4本弦ですが、これは7本あり、さらにその下に共鳴弦7本が張ってあります。インドのシタールに似ているかもしれません。 「ダモーレ」とは「愛の」という意味の他に「ムーア人の」「イスラム人の」という異国的な意味合いもあるようです。 プッチーニ作曲の「蝶々夫人」第2幕第1場の「ある晴れた日に」の後、合唱がハミングする箇所でこのヴィオラ・ダモーレが演奏しているようです。

蝶々夫人で演奏されている箇所の動画 → https://www.youtube.com/watch?v=aDkEVA6EHk4

この他にも音楽好きの方には、有益なうんちくが盛りだくさんです。

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