最確数法や昨日の二項分布において一番確率が大きいピークの位置つまり「最尤値」を求めたいことがあります。
資料ご覧ください → 最尤法
p.1 「100回投げて80回表がでる確率L(p)が最大となるイカサマコインの表が出る確率pを求よ」という問題です。通常のコインは、表裏が出る確率が五分五分ですが、100回に80回表が出るようなイカサマコインがあったとします。 このコインの表の出る確率はいくつかという問題です。
p.2 二項分布の式の両辺の対数をとり、pで微分します。上述のL(p)が最大となるのは、微分したものを0として計算していくと、p=r/nの時にL(p)が最大となります。 このp値がL(p)を最大にする「もっともらしい値」つまり「最尤値」なのです。
p.3 上述の問題の結果p=0.8となります。L(p)をpについてプロットしたグラフをみるとp=0.8に最大値があり、計算結果と一致していることが確認できます。
p.4 昨日の資料にもあったコインと不良品の入った製品の事例において、確率P(r)が最大になるrを求めたいことがあります。上述p.2、3とは話が違います。横軸がrですので、二項分布の式をrで微分して0にする必要があります。数学が得意な方は直ぐできるかもしれませんが、今回私は解けませんでしたので、Excelのソルバーを用いたやり方を説明します。 今までも何度か登場していますね。過去のソルバーに関するブログは「Excelのソルバー使ったことありますか?」「識別式設定の原理」「もっともらしいのは?」 今回の手順は①P(r)を求める二項分布の式が入っているセルの番地をソルバーの「目的セル」に入れます。②「変更セル」に求めたい「r」を入れるセルの番地を指定します。最初はrのセルに0を入れておきます、③今回はrを0から8まで変化させるので制約する不等号を「追加」のボタンをクリックして入力してください。④「オプション」をクリック ⑤「GRG非線形」のシートを選んで、マルチスタートにチェックしてOk ⑥「解決」「Ok」をクリックすると、最初0にしておいたrに数値が入り、P(r)の数値も変化します。 左の表はrを変化させてコイン及び不良品の事例についてP(r)を計算したもので、下のグラフがプロットしたものです。 ソルバーで最尤値を計算した結果と合っていることがわかりますね(黄色の塗り潰し部分)。
今日は最尤値の算出を計算あるいはソルバーを用いて求めてみました。