質問です。「現在、A地点という少し高台に住んでいて、ある程度日常生活をするために支障はありません。B地点には、大型スーパー、家電量販店、デパート、映画館、病院、駅や役所などがあります。 AからBに行くためには、険しい山を越えて行かなければなりません。今のままAでよいですか? 少し苦労しでも、より快適なBに行きますか?」 この回答も人それぞれで、仙人のような生活が好きな方もいれば、文化的な都会生活が好きな方が居られると思います。
この状態を絵に描いてみました。→ 仕事の進め方パート2 すると、この図(p.1)はどこかで見た図です。私の専攻は化学でしたので、ああ、あれあれ「活性化エネルギー」とそっくりだと思った次第です。 化学で習ったことがない方のために、「活性化エネルギー」についてP.2に説明します。ボールAとBが現在いる谷間では、2つのボールとも動いたとしても谷の中で行ったり来たりしています。動いてはいますが、安定状態にあると言います。なぜならば、AとBの間にある山を乗り越えるためには、エネルギーが必要です。この乗り越えるために必要なエネルギーのことを「活性化エネルギー」と呼びます。AとBは何れも安定状態ですが、どちらが安定化と言われれば、Bの方が安定です。すべり台を考えてみてください。 高いところから低い方には滑り落ちますが、逆には滑り上がりませんね。階段を登るにはエネルギーが必要です。 ですからAが山を登ってBの方に下る方が、Bが山を登ってAの方に下るよりエネルギーは少なくてすみます。したがって化学反応では、物質Aに山を登るエネルギー(活性化エネルギーEa)を与えてやれば物質Bになるのです。ここでいうEaのaはactivationの頭文字です。物質Aという意味ではありません。
p.3 数式の嫌いな方は、読み流してください。nモルのxとmモルのyが反応して、CとDに変化する際に、あの有名な「アレニウスの式」が登場します。また、この化学反応速度は右上の式のようになります。「アレニウスの式」を図にしたものが、左下の図です。横軸が絶対温度(=温度+273.15K)の逆数、縦軸は反応速度定数の対数値です。この式の傾き(ーEa/R)は右肩下がりの直線の傾き(定数)です。 y切片はln(A)です。このAは頻度因子です。衝突回数が多いほど大きな数値になります。つまり、反応する物質xとyの衝突回数が増えれば、反応が進むということです。 このグラフは、「温度が高いほど」「衝突回数が大きいほど」反応速度係数kが大きくなることを表しています。
p.4 したがって、AからBに行く反応速度を上げるには、①x及びyの濃度を高くして衝突頻度を上げる、②温度を上げて、比例係数kを大きくすることが必要です。 これを仕事に置き換えます。①多くの人(濃度を高く)がコミニュケーション(衝突して)をとってアイデアを出し、②熱くなり、熱中し、本気になれば(温度を上げる)良いしごとができることになります。
p.5 効率が悪い業務を、多くの人の知恵を熱くぶつけ合えば(活性化エネルギーを与える)、効率がよい業務に改善していくと思われます。 つまり、「情熱」と「コミュニケーション」があれば、仕事は上手くいくと考えます。