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何事もポジティブに

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事実はなぜ人の意見を変えられないのか?(The Influential mind)」(著者:Tail Sharot 発行所:白揚社)を紹介します。 本を読むのが面倒臭い方は次の動画をご覧ください。ただし、53分43秒と長いですよ。

TEDの動画です → https://www.youtube.com/watch?v=NyME0Idsq9w

図書館から借りてきた時は、読まないで返してしまいそうな気がしていたのですが、読み始めたら少し興味が出てきました。副題が「説得力と影響力の科学」となっています。小児神経外科医のカーソントランプ大統領の対談を例に取り上げています。「ワクチン接種は自閉症と関連性がある」がトランプカーソン氏は「ワクチン接種と自閉症に相関を示す結果は報告されていない」と主張します。トランプは「自閉症は今や流行病です。小さな可愛らしい赤ちゃんに、子供用でない注射器を使う、子供には馬に使うようなばかでかいものに見える。 私どもの従業員の2歳の可愛らしい子供がワクチンを受けに来た一週間後に高熱を出して、その後自閉症になった」(上述の本から抜粋)と話したそうです。この特にアンダーラインの部分は、聴衆にインパクト与えてしまい、カーソン氏がいくら研究論文を引用しても聴衆の支持が得難くなるようです。トランプ大統領は、事実よりも不安を味方にする論法のようです。 環境問題についても、前副大統領のゴア氏地球の温暖化をデータに基づいて警鐘を鳴らしていましたが、トランプ大統領は変な理屈を言ってパリ協定から離脱していました。

今後自分が癌になる確率を予測してください」という質問に対して、10%あるいは50%と答えた人がいたとします。実は30%ぐらいだとします。もう一度同じ質問をすると10%と答えた人は11%とあまり変わらず、50%と答えた人は35%と答えたそうです。50%と答えた人にとって30%は良いニュース、10%と答えた人にとっては悪いニュースとなります。良いニュースの場合は変更しますが、悪いニュースの場合は変更したがらないようになっているようです。

この他にも、自分の都合がよい情報を採用する。心疾患や癌が原因の死亡率が高いのに、クモの毒で死ぬことを恐れている。待てば2個目がもらえるマシュマロを諦めて、直ぐ一個のマシュマロを食べる子供マシュマロテスト)、自分が作ったものが他人が作ったものより良くみえるイケア効果)など面白い話題豊富ですよ。

研修担当者として、興味がある話がありました。 飛行機に搭乗後流れる安全ビデオ(酸素マスクや救命胴衣の使用方法の説明など)は、ほとんどの方が見ていないようです。スマホをチェックしていたりして。 そこで航空会社は改善策を試行錯誤しました。その結果、危ないことを強調するネガティブ情報よりも、これから向かう観光地の情報、水着を着たモデルのブレイクダンスあるいはアニメーションなどを仕立てた安全ビデオが効果があったそうです。大事なことを伝えるには、ポジティブで好奇心をそそるものがよいようです。 とても参考になります。

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