一昨日TV放映の「加齢性難聴」の歳になってきたので、心配です。好きな音楽を聴くことも演奏する楽しみもなくなってしまうわけですから。少し調べてみました。
資料参照 → 母音
p.1 内耳にはカタツムリの恰好をした「蝸牛」という器官があるのはご存知ですね。鼓膜の振動が蝸牛に伝えられ、蝸牛内面にある「有毛細胞」を振動が伝わっていきます。高音が手前、低音が奥でピックアップされ電気信号として脳に送られます。 この「有毛細胞」は蝸牛の手前から抜けるか破損していくようです。高音で振動が速くて消耗が速いのかもしれません。 プラスチックや金属なども屈曲を繰り返すと折れますから。 資料左の写真が「有毛細胞」の電子顕微鏡写真です。 真中は、正常と障害のある細胞の写真です。大きな音がする環境や、ヘッドホーンで大音量で聴いている人は要注意だそうです。
p.2 日本人の母音「あ え い う お」の周波数スペクトルです。「い」が一番周波数帯域が広いです。
p.3 周波数スペクトルでは、周期的な山が現れます。これを「フォルマント」と呼び、低周波数側から第1フォルマント、第2フォルマントと呼びます。 フォルマントは口の中の舌の位置を変えて共振する際に生じます。 第1フォルマントと第2フォルマントの周波数を各母音と男女別にプロットしたものが右下の図です。複数の人のデータですが、傾向がありそうです。この図形の形を覚えておいてください。
p.4 口の中の舌の位置で発声する母音が異なります。右の口の断面図にある赤枠が左の図の赤枠であるとしてみてください。舌が一番下にある時が「あ」、歯に近い場合に「い」という発音になります。英語の場合は、発音記号をご覧ください。 管楽器演奏者や声楽の方は、「う お」より「い え あ」を使う方が良いと言われています。「う お」の場合は、喉が閉まるので詰まった音になってしまいます。「い え あ」は喉は開いた状態になっています。
p.5 以前、日本人とネイティブの音に対する感受性性を紹介しました。日本字は全てに母音が含まれているのに対して、英語は子音がを多く含んでいます。母音に慣れ親しんでいる日本人が英語を聞き取れない一つの理由だそうです。 加齢性難聴になると、子音が聞き取れなくなるそうです。そうであれば、歳をとると英語はますます聞き取れなくなるということ?
p.6 K、T、S行は間違えやすいそうです。 これもK、T、Sは周波数が高い領域にあるためです。 昨日のフーリエ展開を用いれば、解析できるはずです。
耳を酷使している方は、加齢性難聴になりやすいので、注意しましょう。