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p値算出式が3種類?

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昨日、「同等性試験」に付いて補足説明をしました。t検定のp値Excel関数を用いて算出していました。このp値の算出式は3種類あること知っていましたか? 統計ソフトを使用する場合は、片側両側検定のいずれかを選択することになっているかもしれません。

資料はこちら → p値計算

p.1 昨日の資料の再掲です。p値算出に「=T.DIST.2T(t値,自由度f)」を用いています。

p.2 「=T.DIST.RT(t値,自由度f)」「=T.DIST(t値, f)」及び「=T.DIST.2T(t値,自由度f)」の3種類があります。「=T.DIST.RT(t値,自由度f)」のRTright tail(右のテール:尾)です。右下の図をご覧ください。標準正規分布のベルカーブです。t値0.333の右側の黄色の塗りつぶし面積(確率)p値0.370です。t境界値(上側)1.650の右側のテールの面積(確率)0.05です。今回は、p値が0.370で0.05より大きいので、棄却域になく有意差があるとは言えない」という結論になります。t値0.333t境界値1.650より左にあることも同じことを言っています。つまり、右側の片側検定をする場合、「=T.DIST.RT(t値,自由度f)」を用います。 t境界値(下側)−1.650に対してt値0.333の有意差検定を実施する際は、「=T.DIST(t値, f)」を用います。計算結果は、t値0.333の左側の水色の面積(確率)0.630p値となり、t境界値(下側)−1.650の左側の棄却域にないこととp値が0.05より大きいため、「有意差があるとは言えない」という判定になります。「=T.DIST.2T(t値,自由度f)」の2T両側にある「2つのテール」という意味で、両側検定のp値0.739を算出します。t値は±0.333で、p値は右上図の黄色の面積の合算です。両側検定のt境界値は±1.968で、片側検定の±1.650よりは棄却域が狭くなっています。両側検定結果も「有意差があるとは言えない」となります。以上より、有意差検定は、明らかに検定対象が右側あるいは左側にあることがわかっている場合は、片側検定上側あるいは下側を選定し、「=T.DIST.RT(t値,自由度f)」もしくは「=T.DIST(t値, f)」でp値を算出し、どちらにあるか不明の場合両側検定とし、「=T.DIST.2T(t値,自由度f)」でp値を算出します。 統計ソフトの場合は、右図のようなイメージ図はありませんが、イメージできるようにしておいた方がベターです。

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