次の問題2題考えてみてください。「ゆる数学思考」(著者:池田洋介 発行所:朝日新聞出版)からです。前提があることに気が付かないと解けないかもしれません。
資料はこちら → 前提を考える
p.1 左の虫食い算の問題1です。上の2桁の数字の1桁目が虫に喰われています。問題は、「それぞれの□に0〜9のいずれかの数を入れて式を成立させてください」です。ヒント:虫食い算の答えは幾つ?
右は論理パズルの問題2です。「□人に入る数を入れよ」という問題です。 ヒント:二人共、太郎の弟の歳を知っています。
p.2 虫食い算の解答手順を説明します。①一桁の数を掛けて1になる組み合わせを考えると4つの組み合わせが考えられます。②すると、一桁目の数字は、1、3、7及び9となります。③各々について、組み合わせを考えます。いろいろあるので決められないですね。ここで、先ほどのヒントの出番です。虫食い算では答えは一つです。よって、13×7=91が正解です。答えが一つという前提が必要になるわけです。
p.3 論理パズルの場合も、前提が必要なのです。勝った人数がわからないので、花子以外の1人〜5人が勝った場合の、伸びた指の数をグー、チョキ及びパーについて考え、表にします。この段階では、太郎は正解がわからないのです。10と15を含む組み合わせが4組あり、そのいずれかなのですが、どれかまだ判断できません。太郎の弟の歳は、10と15のいずれかです。花子が「すみれちゃんも負けたよ」というヒントを言ってくれたことにより、5人が勝った組み合わせは無くなります。この時点で、15を含む組み合わせは1つになり、太郎は正解がわかった訳です。ベイズ統計学に似ていますね。条件がわかった時点で、確率が変わるという。
数学の問題に限らず、問題を解くための情報を整理することが重要です。