薬について、何回か取り上げてきましたが、もう少し理解したいので、「なぜ薬が効くのか?を説明してみた」(著者:山口 悟 発行所:ダイヤモンド社)を読んで、まとめてみます。
資料はこちら → 薬の効き方その1
p.1 発熱や痛みに関わる酵素としてキーになる物質は、COX(Cyclooxygenase)シクロオキシゲナーゼです。「コックス」と呼ばれています。何度も登場してきます。有害な刺激を受けると、細胞膜を構成するリン脂質からアラキドン酸が生成されます。続いてアラキドン酸がCOXによりプロスタグランジンなどの化学物質を生成します。アラキドン酸によりマクロファージから指令をうけたT細胞も動き出します。
p.2 右下図をご覧ください。プロスタグランジンが生成されるとさらにブラジキニンを生成し痛みが発生し、脳視床下部の体温調節中枢に刺激を与え発熱します。左上図をご覧ください。プロスタグランジンにより、痛みや熱が発生しますが、この時、胃は影響を受けません。ところが、プロスタグランジン阻害剤を用いると、痛みや熱は緩和されますが、胃の粘膜が荒れることになります。風邪薬と一緒に胃薬を飲むのはこの理由からです。
p.3 アラキドン酸はCOXによって、様々な化学物質に変化しますが、炎症に大きく影響するのが、PGI2とPGE2です。PGE2はさらに種々の炎症の引き金になる物質に変遷していきます。
p.4 プロスタグランジンの誘導体はたくさんあります。そのうちの2つの化学式を載せておきます。間違い探しです。さて、どこが違うでしょうか?赤丸の部分が異なります。ここが異なるだけで、融点がかなり違ってきます。PGE2は、血管を拡張させますが、PGF2αは、逆に血管を収縮する作用があります。キノン・ヒドロキノンのような酸化還元反応と関係があるのでしょうか?