実験計画法で用いる直交表の話は、何度も取り上げてきました。重複しますが、別の視点から説明します。
資料はこちら → 直交行列
p.1 Y=α+β1 X1+β2 X2+β3 X3+γ12 X1 X2+εの関係式を求める実験を実験計画法を用いて行う事例です。L8の直交表を用いるとY1~Y8のデータが得られます。要因の水準を1と-1で行う場合の組合せがXの行列です。求めたい係数をαのベクトル、誤差をεのベクトルで表します。Y=Xβ+εの関係式となります。
p.2 上述の式を特性値Y1~Y8ごとに式にします。αを求めるには、Y1~Y4の両辺に-を掛けて、Y1~Y8を合計して8で割って平均を計算すると得られます。β1~β3及びγ12についても、求めたい係数がプラスになるように±の符号を掛けて合計して8で割れば数値を得ることができます。求めたい部分以外をゼロにする手法は、フーリエ変換の手法に似ていますね。→「複雑なものから欲しいものを取り出す手法」
p.3 Xの行列に転置行列を前から掛け合わせると対角が1の行列になります。対角が1の行列は、以前「Excelでも計算してみました」で説明したように列間の内積が0なので「直交」しています。Excelでも行列の演算ができます。真中の行列の転置行列(縦横を配列を変えたもの)が左側の行列で、行列の左上のセルに「=TRANSPOSE(範囲)」を入力すれば、表示されます。 次にこの転置行列を真中の行列に掛けた積の行列が右の行列で、左上のセルに「=MMULT(転置行列,元の行列)」を入力すれば表示されます。行列の積は、順番を変えると別の行列になります。「=MMULT(元の行列,転置行列)」とすると別の行列になることを確認してみてください。