実験計画法で検討するならば、品質工学と許容差設計を用いた方がいいですよという話をしてきているのですが、なかなか伝わらなくて困っています。 先日紹介した「そもそも品質工学」の第2話「品質工学と実験計画法」の動画を見ていたら、両者の比較を上手に説明しています。実験計画法の権威である田口先生が進化させたものが品質工学なのです。先日の講演「貴重な動画です」の中でも、以下の動画の内容と同様のことを話しておられました。
第2話「品質工学と実験計画法」→ https://www.youtube.com/watch?v=UPv2tbPdXZE
第2話のまとめ → そもそも(vs.実験計画法)
上記動画を何気なく見ていても違いがわからないかもしれないので、表にまとめてみました。りんごの喩えがわかりやすいです。品質工学は、問題を解決するための技術開発なのです。実験計画法は、制御できるパラメータだけを直交表に割付けているので、特性値に効果を与える因子を見つけることができるかもしれませんが、環境や顧客の使われ方(誤差因子)の影響は評価していません。また出力を変化させる信号因子も把握していないので、チューニングも難しくなるわけです。現状把握にとどまり、将来問題が起きた場合の対処の仕方までの知見は得られないのです。 実験計画法の解析結果は、特性に寄与するパラメータを、分散分析のp値より、判定するのに対し、品質工学の要因効果図はグラフで方向性を示してくれるので、直感的にも捉えやすいと思います。本ブログをお読みの若い技術者の方、実験計画法の弱点をご理解いただき、品質工学を利用するようになっていってください。もちろん、品質工学適用しない場合もありますが、最初に一度は実施しておくべきだと思います。