先日、数学と物理の類似性の話をしましたが、今回は、化学と生物の類似性の話です。動物の縞模様ができる原理について「2つの話題がリンクした」に取り上げました。今回、視覚的にイメージし易い動画を見つけました。以下ご覧ください。
動画はこちら → https://www.youtube.com/watch?v=LcLKQSQGlcU
動画からピックアップして説明を加えてまとめてみました。
資料はこちら、→ 縞々その1
p.1 チューリングが2つの化学物質の拡散と反応により縞模様ができることを示しました。この文献に記載されている式です。式の第2項は差分方程式になっており、数値計算するには、こちらの方が都合がよいです。これに関しては、「動物の斑模様のシミュレーション」で説明しました。数学的には、真中上の拡散方程式で表されます。チューニングの差分方程式の右辺第1項と同じ意味で、拡散係数DA及びDBの大小関係により縞模様の形状が変わることを動画で説明されています。メラニン生成物質Aと抑制物質Bの拡散速度が同じ場合は、右上図のよう状態となり、メラニンが体表面全体を覆い黒くなります。抑制物質Bがメラニン生成物質Aよりも拡散速度が速い場合、縞模様あるいは斑点が形成されます。
p.2 左上は体表面を平面にしてシミュレーションした結果を示しています。抑制物質Bの拡散速度がAよりも大きくなるとシマウマの模様になることがわかります。シマウマの縞模様は、時間と共に変遷していきますが、シミュレーションでも再現しています。レーザーでメラニンを除去すると、別のメラニンの縞が湾曲することが実際確認されており、シミュレーションでも再現できています。
縞模様が形成される機序は理解できましたが、動物によって異なる模様になるのは、なぜなのでしょうか? 仲間の識別がし易いから? 迷彩? 警告? メスを引き付けるため?