書類のチェックを実施する際に、ダブルチェックだけでは間違いがなくならず、トリプルチェックなどチェックを増やす対策を講じていませんか? この対策は好ましくないことが、実験でも確かめられています。
資料をご覧ください → リンゲルマン効果
p.1 郵便番号・住所及び氏名にわざと間違いを入れておき、作業者1人~5人のグループでのエラー検出率を測定した結果が左図です。一人のエラー検出率が65%だとすると、理論的なエラー検出率は人数と共に増加するはずですが、実際計測すると、ダブルチェックのピーク後、減少していきます。人を増やせば増やすほど検出率は低下してしまうのです。この現象は「リンゲルマン効果」「社会的手抜き」と呼ばれています。
p.2 リンゲルマンは、綱引きの実験を行った結果、左図のような人数と(個人のパフォーマンス)の相関が得られました。右図は、(個人のパフォーマンス)×人数が縦軸になっています。8人が綱引きをすると、一人は49%のパワーしか出さないので、実質3.9人分の仕事しかできいないことになります。
以上のことより、チェックを含め仕事は、少数精鋭で責任持って行う体制にすべきですね。あと、ダブルチェックでも100%の検出率にはなりませんので、ダブルチェックの場合は、2人が別々の視点・方法でチェックする方法を設定するのがよいと考えます。