応答曲面法は、原理的なものを理解した上で良し悪しを判断していきたいと思います。平野哲夫:臨床化学 36:3030-309,2007の文献を参考に、Excelで計算してみました。実際にExcelを用いてみたい方は、本日の資料とExcelファイルをご覧ください。
文献はこちら → https://www.jstage.jst.go.jp/article/jscc1971b/36/4/36_303/_pdf
本日の資料はこちら → 応答曲面法その2
Excelファイルはこちら → 応答曲面法(Excel)
p.1 3つの因子(Glucana、GlyGlyおよびpH)を低水準(-1)、中央(0)及び高水準(1)と変化させて、γーGT値を特性値として計測します。3つの因子を、-1、0、1のように規格化します。(実測値−中央値)÷実験幅(高水準−低水準)で規格化します。表のGlucana、GlyGlyおよびpHの値を規格してx1、x2及びx3列に示しています。この表は、実験条件の組み合わせ表です。
p.2 γーGT値をYとすると2次式に回帰された左上の近似式で表されます。表をxの一次項、二乗項、積の項及び計測値Yで示しています。Excelの分析ツールを用いて、重回帰分析を実施した結果を右側に載せておきます。この結果より、近似式の係数が求まり、右下の近似式が求まりました。
p.3 近似式を行列で書き直し、xで微分して0とすると、Y(ハット)が最大になるxsは、左下の逆行列と行列の積で求められます。実際にExcelで計算してみました。係数のB行列の逆行列をExcel関数「MINVERSE」で求めます。一つのセル内に「=MINVERSE(行列の範囲)」の関数を入れると逆行列が求められます。b行列と逆行列の積は「=MMULT(bの行列範囲,逆行列の範囲)」で算出しますが、左下の式では、「−1/2」がかかっていますので、「-0.5」を掛けています。よって、最大Yのxsの値が求まりました。
p.4 x2=0.397に固定して、 x1 とx3 を-1~1の範囲で変化させて近似式に代入して、表を作成します。表では、Glucanaを1〜11、p Hを7.2〜8.6と変化させていますので、規格化するために、黄色の式を用いて変換します。
p.5 表の値を用いて、3Dプロットと等高線図を描きました。等高線図は3Dプロットをxy平面に投影したものですね。オレンジ色の部分が最適解付近になります。今回x2を固定していますが、x1やx3を固定して同様の図を描いて、比較することになります。昨日、切り出すという話をしましたが、このことです。
今回Excelで応答曲面を描きましたので、全貌が見えてきました。直感的に図で表すには良い方法ですが、パラメータが多い場合は、最適解がどこになるか見極めるのが難しそうです。