ペットボトルの口が「白いもの」と「透明なもの」の2種類があることに気が付いていましたか? 「白いもの」には別のプラスチックを使用していると思っていました。ところが、同じPET(ポリエチレンテレフタレート)というポリマーであることに最近知りました。 このPETは「結晶性ポリマー」です。 「非晶性ポリマー」は透明性が高く、「結晶性ポリマー」は白くなると言われています。 結晶性の場合は、結晶部分と非晶質部の界面で光が屈折して光が散乱するために白く見えるのでしょう。 それでは、結晶性ポリマーのペットボトルがなぜ透明に見えるのでしょうか?
資料ご覧ください。 → 高分子とは?その2
先ず、ペットボトルの成型法をご覧ください。 → 成型法
ペットボトルは、①射出成型機で「プリフォーム」という小さな成形品を成型する。②この「プリフォーム」を金型に入れ、加熱しながら延伸ロッドで垂直方向に延ばす。③エアーを吹き込んで横に拡げる。④内部をクーリングエアーで冷却して固める。⑤型を開いて、取り出して完成です。
PETは「結晶性ポリマー」と言われますが、作り方によって「非晶質」の割合を増やすことが可能です。 上記の「延伸法」と「急冷」により「非晶質」が多くなり透明になります。
では、口の部分が白いペットボトルはどうやって成型するのでしょうか? 中学生の理科の実験で、食塩やミョウバンの結晶を作った記憶はありませんか? 加熱した溶液を発泡スチロールの箱に入れてゆっくり冷ますほど大きな結晶ができたと思います。 ペットボトルはの口になる部分だけ急冷せずゆっくり冷ます金型にしておけばよいのです。
ペットボトルの口が白いものと透明なものは、どのように使い分けているのでしょうか?
クリックしてください。 → http://www.petbottle-rec.gr.jp/more/kind.html
高温の内用液(お茶など)を充填する場合、果汁入り炭酸系内用液を充填後、熱殺菌する場合は、白い口にするようです。