「自分の意志ではない?」で似た問題を取り上げましたが、以下の問題はいかがでしょうか?
資料はこちら → 検知力
p.1 「問題1 ルール:偶数のカードの裏面は母音(A、I、U、E、O)が書かれています。が守られていることを確認するためには、どのカードをめくればいいか」という問題です。
p.2 このような論理問題は、左図のような関係があるため、ベン図で考えるとよいと前述のブログで説明しました。PならばQである場合、その逆のQならばPは必ずしも正しくなく、QでないならばPでないは対偶で正しいのです。したがって、PならばQであるとQでないならばPでないことを確認すれば済むのです。前者が4、後者がDになるわけです。 この問題、4とAを選ぶ方が多く、正答率は5〜30%と低いですね。
p.3 「問題2 ルール:ビールは、20歳以上でなければ飲めないことを確認するにはどのカードをめくりますか」という問題です。今度は、いかがでしょうか? 論理的に考えなくとも、迷わず16歳とビールを選びますね。正答率も65〜80%と高くなっています。 この違いは何でしょうか? 社会の秩序を乱すものに対する検知力が培われてきた結果だと言われています。
我々は、正しいことあるいは合っていることについて確認する心理の方が優っているようです。検証する事項に関する資料ばかり集めて、反証する情報を集めようとしないことが多いですね。多くの方は、チャンピオンデータは喜びますが、失敗データは無視していませんか? 失敗データこそ大事であると私は思います。品質工学でも、直交表実験が上手くいかないと落ち込む方がおられますが、そのデータ重要も技術資産になるのです。
本日の相田みつを語録は、「ふるいものを出さなければ あたらしいものは 入らない」です。