「ゼロから学ぶ量子力学」(著者:竹内 薫 発行所:講談社)を読み始めました。量子力学は何度も勉強し始めて挫折してきました。上述の本は21年程前が初版で、リニューアルされています。読み易くなっています。その中で、面白い話が載っています。2枚の偏光板を直角に配置すると、光は通さなくなりますね。 この2枚の偏光板の間に45度の角度で偏光板を入れるとどうなると思いますか? 暗くなりますが一部光が通過するのです。 本に説明が書かれていたのですが、イメージが湧かないので、図にしてみました。
資料はこちら → 量子力学その1
p.1 上が偏光板2枚の場合、下が偏光板3枚の場合です。
p.2 左図をご覧ください。光は、いろいろな方向に振動していますが、黒、赤、緑、青方向に振動しているものとします。例えば、黒方向の光をxとy成分に分解します。青やそれ以外の方向に振動している全ての光も同様に、xとy成分に分解させます。偏光板①ではy方向の成分だけ通過してx成分(この場合は緑色)は遮断します。よって赤い成分だけ通過します。 偏光板②は、この赤方向に直角のため遮断するので、全ての光が2枚の偏光板で遮断されます。 次は、右図をご覧ください。2枚に偏光板の間に45度の角度に偏光板③を入れる場合です。偏光板①の通過後の光を45度方向の成分に分解したものが青方向の光です。この光が偏光板③を通過します。偏光板③に垂直な成分は通過しないので省略しています。 同様に青方向の光を偏光板②方向の成分に分解すると、この成分が偏光板②を通過してきます。矢印の長さが、最初の長さより短くなりましたね。この長さが光強度なので、暗くなることを示しています。
偏光板2枚の時、xとy方向の光だけなら通過しないことは直ぐわかるのですが、いろいろな振動方向の光がなぜ光が完全に遮断されるかがイメージできなかったので、ずっと考えていたら眠くなり、寝て起きたらイメージが閃きました。解決しないときは、その問題から離れて頭を冷却しましょう。