今年4月に亡くなられた立花隆氏の「サピエンスの未来 伝説の東大講義」(発行所:講談社現代新書)を読んでいます。立花氏は3万冊もの本を読み100冊もの著作があると聞きました。気になった部分について取り上げてみようと思います。サピエンスとは、理解している・知っている・知恵のある という意味です。
生命が「生きている」とはどういうことか・・・ 「生きる」とは、球面上の膜があって、エネルギーや物質が取り込まれ、外部環境に廃棄物が排出されるモデルがあり、膜内部でホメオスタシス(恒常性)が維持されること と言える。ギリシャ語で、ホメオ(類似)、スタシス(持続)だそうです。ホメオスタシスが壊れると死となります。 東京オリンピックではバブルを形成して、コロナウィルスが日本国民に感染しないようにすると言っていましたが、一部に綻びがあるようです。 スターウォーズの水中都市のようなバブルでシールドされたもので合って欲しいですね。
意味付けの階段を上る・・・実験や観測は、意味を求めて現実からあるファクトを引き出す作業。それがデータと呼ばれる。ある目的を持って、その目的を実現するための計画を立てて行います。実験や観測が成功するか否かは、ほとんどその段階で決まると言ってもいいくらい、その設計が大事。昨日のブログ「ここでもゴールのイメージ」で述べたことが、この本を読んでいたら、同様なことが書かれているではありませんか。知の巨人が言うのですから、確かですね。
見ることの重要性・・・見ることこそが人間の認識の最も本質的な部分を構成している。物理的に見るだけでなく、高次の認識が大事。 「学ぶ」とは、より広くより質が高い眺望を獲得するための努力の積み重ねであるが、たいていの人は、努力を放棄してしまう。イソップの「酸っぱいブドウ」のキツネと同じになってしまう。ハムレットの有名なセリフ「ホレーショ君、この天地の間には、きみの貧しい頭ではとても考えが及ばないようなことがたくさんあるのだよ」を自分に言い聞かせてください。と、立花氏は述べています。
21/2人間になってはいけない・・・ステレオ・ドットグラムはご存じですか? 焦点をずらして見ると立体像が見えてくるものです。立花氏は、この状態を21/2状態としています。この状態は、自己中心的な見方の範疇で、本質を見ていないと言っています。
以上、いくつかピックアップしてみました。原文そのままでなく、省略しているところがたくさんあります。 是非、原著をお読みください。
NHK人間大学「知の現在 限りなき人間へのアプローチ」の動画です。6時間弱あります。 → https://www.youtube.com/watch?v=8-RJ-lVpkLg