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まだ不完全?

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宇宙物理学で「超ひも理論」が統一場を説明する理論として提案されています。先日「笑わない数学3」(著者:NHK笑わない数学 制作班 発行所:KADOKAWA)を読んでいたら、「結び目理論」がありましたので、読んでまとめてみました。

資料はこちら → 結び目理論0

p.1 先ず、結び目交点の数結び目の数で分類した数学者たちの結果が紹介されています。左上の図をご覧ください。十字のオレンジ線を繋げるパターンは3種類あります。一番右は、2本の紐になるので除外し、左の2種類のパターンは、絡まりを解くと1つの輪になり、結び目はなしです。交点数が2の場合は、左下の図の①〜④をご覧ください。①2つの交点の左側の上から紐を結ぶ先は、7通りあります。②は5通り、③は3通り、そして④は1通りなので、掛け合わせると105通りの組合せがあります。この組合せの中から、紐が1本でなかったもの、同じものを削除するとすると結び目のあるパターンは1つもないのです。同様に交点の数に対して結び目の数を調べていくのですが、確認作業はとてつもなく大変な作業になります。2人の数学者テイトカークマン手作業で交点10個まで調べたそうです。交点8個の組合せ19京1808兆7839億6251万625通りなので、交点10個はいくつになるのでしょうか? 数学者の探究心は桁外れですね。その後、コンピュータで調べていますが、まだ法則が見つかっていないので、最終的には人間のチェックが必要だそうです。

p.2 その後、アレクサンダーという数学者が数式を編み出しました。右上のように交点をくぐる前後にある領域が右か左かによって「t」「-t」「1」「-1」として、マトリクスを作り、その行列式を解いて方程式のような多項式で、分類します。この式の解を求めるのではなく、多項式で表現するだけです。「三葉結び目」についてマトリクスを埋めていきます。交点①についてくぐる前の領域1と3くぐった後の領域2について該当する記号をマトリクスに書き込んでいきます。最終的に3✕3のマトリクスに記号を入れたものを行列式として解いて「−t+1」のアレクサンダー多項式が得られます。

p.3 いろいろな結び目のアレクサンダー多項式を示しておきます。ところが、三葉結び目の鏡像体について、アレクサンダー多項式は同じ多項式になってしまいます。その後、改善されたジョーンズの多項式で求めたものを青字で記します。ジョーンズの多項式は、複雑なので調べてみたのですが、まだ理解できていません。この式でノーベル賞を受賞したようですが、これでもまだ不十分で、現在はコンツェビッチ不変量が最強と言われています。これも不完全かもしれません。

数学には、まだまだ未解明な課題が残されています。数学者たちはまだ挑戦続けているのでしょうね、きっと。

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