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凝ったアイデア!

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昨日、ギネスビールの泡の話をしましたが、その続きです。模様が下降していく理由を検討した実験や泡をクリーミーにする工夫について調べてみました。

資料はこちら → 面白い流体力学その2

p.1 左上のような傾斜した容器に、ギネスビール、シャンパン、炭酸水コーラを注いで泡の挙動を観察しています。ギネスビール以外は模様を作らないようです。右下をご覧ください。ギネスビールでも、グラスの傾斜角度により模様ができる場合できない場合があるようです。右下が境界面の拡大図です。のようなものが見えます。窒素の泡は炭酸の泡の10分の1の大きさなので浮力が小さく下降する液体に引きずられて、下に移動します。グラスの中央には下降流がないので、気泡はそのまま上昇していきます。見える模様はグラスとビールの界面だけに生じているようです。

p.2 徳山ダム放流時に生じる「転波」に類似しています。「安定か不安定を表す指標(フルード数)」と「泡が密か疎かを表す指標(濃度界面の解像度)」という二つの要因によって、「転波」が生じるそうです。転波の断面図および理論式を右下に載せておきます。

p.3 ギネスビールの缶を切ると、中から白いピンポン球のような物体が現れます。拡大したものが右上の写真で、円周上大きな凹み小さな凹みが並んでいます。また、0.2mmの孔が開いています。この球の中に窒素ガスあるいは液体窒素が充填されていて、ビール缶内に浮かんでいるようです。蓋を開けると、窒素ガスが吹き出し左図のようになります。シミュレーションした動画もご覧ください。詳細は、特許公報特許第3,957,382号公報、「発泡性飲料のためのパッケージ及びパッケージ方法」)をご覧ください。缶の中に、こんなものが入っているなんて、アイデアが素晴らしい。安全性試験など苦労があったと思います。

シミュレーション動画 → https://www.youtube.com/watch?v=iuJcOPHOXd8

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