騙される因果関係の事例はたくさん紹介されています。過去の「噓をつく数字、グラフ」「年齢が分岐点」でも取り上げています。今回、どんな場合に騙されるかをまとめました。
資料はこちら → 因果関係その2
p.1 因果関係があるのは、➀相関関係がある場合(正負いずれでも構いません)、②時間的あるいは論理の順番が正しい場合そして③交絡因子がない場合です。事例を見れば、理解し易いです。事例1をご覧ください。実験結果より(a)と(b)の結果が得られました。これらより、「ダイエット食品は効果がないばかりか、逆の効果が観察される」と結論づけてよいでしょうか? この結論は、原因と結果の論理順序が逆のため間違った因果関係になっていました。事例2も同様で、「儲かっている企業の給料は高い」に過ぎないですね。事例3も同様です。
p.2 交絡とは、「従属変数と独立変数の両方に相関する外部変数が存在すること。そのような外部変数」です。事例をご覧ください。1つ目は、語彙力と体重が交絡因子の「年齢」と相関があるためにあたかも因果関係があるかのように見えます。2つ目の交絡因子は「性別」です。因果関係が成り立つためには、交絡因子を排除する必要があります。
繰返しになりますが、因果関係があるかどうかを判断するには、冒頭で説明したように、➀相関関係がある場合(正負いずれでも構いません)、②時間的あるいは論理の順番が正しい場合そして③交絡因子がないことをご確認ください。