「世界は2乗でできている」(著者:小島寛之 発行所:講談社 BLUE BACKS)を「神秘的な数式」で紹介しました。この本では、世の中にある2乗の式を数学・物理の視点で紹介しています。気になる箇所をピックアップし、追記してまとめてみました。
資料はこちら → 世界は2乗
p.1 先ず「グノモン」という数です。「連続する奇数列。総和は平方数」になるものを呼びます。これは面白い性質です。ガリレオが自由落下実験を、傾斜のある坂道で実施する際に、このグノモンを利用しています。現代のように計測技術が発達していませんので、ボールの落下距離と時間の関係を測定するのが困難でした。そこで、1,3,5,7の距離間隔の位置に鈴を設置しておき、ボールが接触した際の音により時間を計測します。すると、右下表のような測定結果が得られます。この表より、「落下距離は、落下時間の2乗に比例する」という法則が発見される訳です。
p.2 水素原子の発光スペクトル波長は、バルマー系列の式と一致します。この式においてもn2が関与しています。nは自然数なので、トビトビの値の波長の光となります。一番下のように書かれている式もあります。
p.3 アインシュタインの相対性理論の説明で描かれる図があります。船に乗っているAさんと対岸のDさんがいて、船上の物体Mに運動量pの光子を2方向から照射します。Dさんの観測では、斜めに入射する1個の光子が物体に与えるx′方向の運動量は、pよりv/c だけ縮むので、運動量はεv/c2、2方向なので2εv/c2となります。運動量=質量×速度なので代入すると、あの有名なアインシュタインの質量エネルギーの式E=mc2が導き出されます。
p.4 気体分子の運動エネルギーとそのマクスウェル分布の式、そして統計の正規分布の式をご覧ください。いずれの式にも2乗の形が見られます。
p.5 正規分布の式を考案したガウスは、pとなる確率、qとなる確率そしてp及びqとなる確率を考え、「世の中で起きていることは、最も観測されやすい、つまり確率の最も大きいこと」とし、pとqの平均値を真実の値μと考えるのが尤らしいとして正規分布の式を導きました。
p.6 正規分布から標準正規分布まで式を並べておきます。上手くできた式です。
p.7 統計の中では、いろんなところに平方数が登場します。正規分布から取り出した値を2乗した分布はχ2分布になります。「サイコロがイカサマかどうか」を調べるχ2分布の事例です。統計量が右側5%の棄却域にあるので、このサイコロは異常なイカサマサイコロであると判定します。
2乗は、統計では分散分析や最小二乗法、品質工学ではSN比の式、数学ではピタゴラスの定理などなど至るところに登場してくる不思議な数です。
光や音の強さ、クーロンの法則、万有引力の法則は、「逆2乗則」が成り立っています。つまり距離の2乗に反比例しています。なぜか? 次の動画でわかりやすく説明しています。
逆2乗則→ https://www.youtube.com/watch?v=X4SNMOMM8PI