「自分のあたりまえを切り崩す文化人類学入門」(著者:箕曲在弘 発行所:大和書房)を紹介します。各章のタイトルを以下に示します。第3話の贈り物の話は、身近でもよく経験しますね。結婚式やお祝いをもらった際に「半返し」をすると思います。貰いっ放しの「負い目」を緩和するための慣例のようです。また贈り物をする際に「つまらないものですが」と言うのも、相手に「負い目」を持たせない言い回しのようです。欧米人には、理解され難い日本の文化ですね。 第4話の話題も面白いです。口の中にある唾液は汚いと思いませんが、一旦外に出ると汚いと思うのは何故でしょうか? その理由が説明されています。この他、夕暮れ、交差点、妖怪、鳥居は関連性があります。興味のある方は、読んでみてください。今まで縁がなかった「文化人類学」もこのような話題から入ると興味が湧いてきます。
第0話 本編に入る前に そもそも「文化」ってなんだろう?
第1話 集団と親族 なぜ私たちは「よそ者」に冷たいのだろうか?
第2話 家族と血 家族にとって血のつながりは大切か?
第3話 贈り物と負い目 なぜ贈り物をもらったら、お返しをするのか?
第4話 汚穢と禁忌 なぜ私たちは唾液を“汚い!”と感じるのか?
第5話 儀礼と境界 なぜ「就活」はあんなにつらいのか?
第6話 宗教と宗教心 日本人は本当に無宗教といえるのか?
第7話 呪術と科学 なぜ不運なことが起きたとき「“努力”が足りなかった」と思うのか?
第8話 民族とエスニシティ 「日本人」とは誰を指すのか?
第9話 人間と文化 「あたりまえを切り崩す」とはどういうことか?