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違いがありました

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同等であることを証明するには?」をもう少し深掘りしてみます。有意差検定との違いをイメージ図にしてみました。

資料はこちら → 同等性試験など

p.1 2つの対象の比較をする場合に、目的に応じて「優越性試験」「非劣性試験」「同等性試験」があります。これを証明する統計的手法が「有意差検定」だということです。有意差検定を「優越性試験」と同じ意味と勘違いしてしまいそうです。「優越性試験」は有意差検定を用いて証明するわけです。「非劣性試験」では、「劣っていない」を証明できますが、場合によっては「優れている」場合もあり得ますが、これを証明するには、新たな「優越性試験」を用いて証明する必要があります。「同等性試験」は、「同等であることを証明するには?」でも説明したように、「同等性マージン」の内側に95%信頼性区間が入ることを確認します。「優越性試験」や「非劣性試験」も各々のマージンの中に95%信頼性区間が入ることが必要です。

p.2 前ページで示したことをイメージ図にしました。各々の上下限値あるいはマージン(区間)がありますので、各々調べたい対象の95%信頼性区間が、各々のマージンの内側になければなりません。跨いではいけません。差=0緑線が中央に描いてあります。新規品と既存品の分布の平均値の差が0となる位置です。この線より右側が、新規品に効果がある場合、左側のある位置(矢印の左)までが既存品の効果がある部分になります。優位性試験の95%信頼性区間は、この緑線の右側にあります。既存品に比べても劣っている場合は、「劣性あり」の部分です。通常、有意差検定は、「優位性試験」の際に用いることが多いですが、「劣性試験」というものがあるとしたら、この場合も有意差検定を用います。有意差検定は、「同等性」を判断する検定ではありません。私も、認識不足でしたが、「非劣性試験」と「同等性試験」は図にすると違いが明らかです。非劣性試験は、「非劣性下限値」以上の95%信頼性区間が入ることを有意差検定の手法を用いて証明しますので、同等性上限値を超える場合もあり得ます。各上下限値は、都度設定します。

いかがでしたか、図に描くと証明したいものの範囲が明白になってくると思います。

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