「デジタル時代の集中力の科学」(著者:フォロリア・マーク 発行所:日経BP)では、昨今の情報過多の中で集中力が切れることが多い事例を上げています。私も最近、新聞よりもネットのニュースを読むことが多くなりました。Googleを起動すると、画面の下に私がよくアクセスする記事に関連する記事が表示されていて、つい読んでしまいます。検索が目的だったのに、関係ない記事を読んでしまうことになります。通知を切っておかないと、スマホでは、新しいニュースが来ると、都度振動して教えてくれます。これによって、かなり時間を無駄にしていると実感しています。SNSはもっと頻繁に通知がくることでしょう。デジタル社会において、注意散漫から逃れる手段として、上述の本には以下の対処法が書かれています。試してみてください。デジタルの使用を制限するだけでなく、「メリハリをつける」工夫にかかっていると思われます。
- 美味しいものが目の前にあれば食べたくなるので、見えない場所に隠してします。つまり、いつもアクセスするアドレスやショートカットを隠してします。
- 「釣り針を設ける」‥‥会議の前に10分間だけソーシャルメディアを見ることできるようにしておきます。「会議」が釣り針で、会議開始によりソーシャルメディアを見ることを中止することができます。ゲームの場合は、通勤時間の電車の中だけに制限します。この場合、到着駅が釣り針です。到着駅に着いたら、ゲームをやめなければいけません。
- 認知リソースを補充する時間を充分とる。そのためには、複数の会議を連続させない。特に、オンライン会議は。メールは、ストレスを伴うので、集中のピーク時に開かないこと。メールは、出社時と退社時ぐらいにしておく。ほとんどの人は、午前11時と午後3時に集中力のピークがあるので、この時間に創造性のある仕事をすること。図は、ヤーキーズ・ドットソンの法則のイメージ図です。横軸は、「覚醒あるいは動機づけ」です。単純作業は、動機づけが強いほどはかどりますが、難しい仕事は動機づけが強すぎるとかえって仕事の進捗が悪くなってしまいます。したがって、難しい仕事を連続することなく、息を抜く作業を入れて、認知リソースを回復させる必要があります。デスクを離れて、散歩や現場を見にいくなどの工夫が必要です。