昨日、「プロスペクト理論」の話をしましたが、たまたま先週の土曜日に借りてきた新刊本コーナーの2冊の本「シンプルで合理的な人生設計」著者:橘玲 発行所:ダイヤモンド社)と「ビジネスの現場で活かすデータ分析メソッド」(著者:石居一平 発行所:オーム社)にプロスペクト理論の図が載っているではありませんか。偶然? それとも私の潜在意識のなせる仕業? 上述の人生設計の本に載っているトピックスを紹介します。プロスペクト理論のイメージがつきやすいと思います。
資料はこちら → 人生設計その1
p.1 昨日の縦軸は「価値」でしたが、今回は「幸福度」です。一般にS字カーブになると言いましたが、この図のような形になることが多いようです。利益がある値以上になると幸福度は一定値になります。よいことには直ぐ慣れてしまうようです。損失がある場合の痛み(不幸)は、利益がある場合に比べて大きく下に落ち込みます。ただ、借金が1億円ぐらいになると、「どうせ返せない」と開き直って不幸な程度は一定値になってきます。
p.2 プロスペクトの効用関数の再掲です。
p.3 左図をご覧ください。効用関数の第1象限を取り上げます。横軸に投入する量の具体例としてビールのジョッキ数とします。縦軸は、効用(幸福)の例としてビールの美味しさとします。ビール最初の一杯は美味しいですが、何杯も飲むと次第に美味しさを感じなくなり、苦味が強くなってきます。美味しさが一定値に収束してくるわけです。 右図は、お金をいくらか以上取得すると幸福度が変化しなくなるかを示しています。日本人の場合、個人差はありますが、個人の年収が800万円、子どもがいる家庭は、1,500万円、世帯の金融資産としては1億円あると安心して生活できる目安だそうです。この金額を上回っても、幸福度はあまり変わらないそうです。
p.4 コップに水が半分入っていたとします。楽観論者は「半分も入っている」と思い、悲観論者は「半分しか入っていない」と思います。同じ水量でも、コップを半分の容量にして満杯にします。これにより、楽観論者も悲観論者も思いは同じになりますね。環境や認知を変えてやることが成功するための意思決定に有利に働くことになります。右の方がベクトルを合わせることが容易になるわけです。