工程内のムダを特定するためのツールとして、「VSM(Value Stream Mapping) 」と「かんばん」について説明します。
資料はこちら → IEその4
p.1 工程1〜4があり、各々の生産能力などを表にしてあります。工程での所要時間と工程間の在庫時間を下の方に示しています。ピンクは停滞時間で合計21日2時間、製造所要時間の合計は61分で、これが価値を産み出している価値付加時間になります。生産性が悪いムダが多いことがVSMからわかります。次は、ボトルネックを探します。先ずは赤丸がついている部分に着目します。ここを最初に改善して数値を下げることが必要です。 ここが改善終了したら、次に数値が大きいところを改善していきます。この生産方式では、生産管理が注文を受けて生産計画を立案して、サプライヤに部品を調達して、各工程に生産指図を行います。このようにVSMは1枚の絵にすることにより、ムダを見える化することが肝要です。
p.2 ムダとして在庫が悪者にされますが、在庫にも種類があります。安全在庫もときによっては必要です。在庫の分類を表にまとめておきます。「流動数分析」をすることにより、適正在庫を設定していきます。流動解析は、入庫累計と出庫累計をプロットすることにより、在庫期間及び在庫数が把握可能です。「図にしたり計算して見える化」も併せてご覧ください。
p.3 プッシュ生産とプル生産の特徴を表にしておきます。下のVSMはプル生産の場合について描いています。生産管理は受注に基づき、最終工程に生産指図を行い、工程4は、その前工程に生産に必要な仕掛品数の「かんばん」を渡していきます。サプライヤにも、工程1で必要な部品の「かんばん」が渡すことになります。トヨタのようにサプライヤ管理ができていないと、急にかんばんを渡されてもサプライヤは困ってしまいそうです。全てプル生産にする必要はなく、プッシュ生産とプル生産を併用させた生産スタイルを求めていく必要があります。製造リードタイムが長い場合、プル生産一辺倒では欠品になってしまいます。欠品を起こさない工夫が必要です。プッシュ生産とプル生産については、「押し込んだり引っ張たり」も併せてご覧ください。
IEは改善の見える化にとって、数値化やグラフ化するツールです。知識に留まらずに、使ってみることが肝要です。