「うんこ化石の世界」(編者:土屋 健 発行所:技術評論社)を紹介します。皆さんは「便」のことを何と呼んでいますか? 「うんこ」「うんち」「大便」「糞」などいろいろありますね。英語は「poo」。「うんこ」というと硬め、「うんち」というと下痢のようなイメージが私にはありますが。感じ方は人それぞれですね。うんこの化石は多くの情報を与えてくれるのですが、誰の排出物なのかを特定するのは結構難しいようです。シャーロックホームズの「見るべきところを見ないから、たいせつなものをみな見落としてしまうのさ」という名台詞のごとく、うんこの化石は探偵のように推理をしていく必要があるようです。大きさ、形、現場の地層、そこから発見される化石、内容物、寄生虫、細菌による鉱物化などなどの情報を頼りに推理していきます。最近では、膨大なデータをAIが解析する時代になってきています。同じヒトでも健康状態や食べるものによって便の形状は変わりますよね。なので、推理は難しいのです。便として排出されずに腸内にある状態で化石化していると容易になります。 身体の化石からの情報に比較してうんこの化石の解析は難しいのですが、主(排出者)が特定できれば、どんな食生活をしていたか、どこで活動していたかなど多くの知見が解明することになります。
脱線しますが、この本の筆者が飼っているラブラドールレトリバーは、いつも同じ場所でうんこタイムとなり、目線が「ちょっとそこで待ってて」と訴えているそうです。私も、かつてゴールデンレトリバーを飼っていたことがあるのですが、同様な仕草をしていました。グルグル回り始めて、足場を固め、背中を丸めてお尻を地面に近づけた(写真)後、必ず私の方を見るのです。「動かないで」と目線で訴えているようでした。 うんこの化石を見る機会があったら、太古の世界を想像してみてください。恐竜がどんな格好でうんこを排出しているかを。