「ユーザー目線で役立つ接着の材料選定と構造・プロセス設計」(著者:原賀康介 発行所:日刊工業新聞社)から硬化時の挙動について、知っておくべき内容をピックアップします。
資料はこちら → 接着技術その2
硬化時の挙動(左図)は、頭の中にイメージしておくと対策を講じる際に有効であると思います。接着剤は効果と共に収縮して硬化終了近くで一定値となります。弾性率は徐々に上がって(つまり硬く)なっていきます。硬化収縮応力は一旦ピークとなり、その後応力緩和されます。硬化しても応力は残留していて、特に端面の応力は大きいです。 加熱硬化の場合は、一旦接着剤が膨張して、その後収縮して硬化します。金属とプラスチックの接着の場合、プラスチックのスプリングバックにより接着剤層から剥離する現象が起きる場合があることも知っておいた方がよさそうです。 これらの挙動を知っておくと、接着時に加圧保持しておくなどの対策がとれます。プラスチック素材に合った接着剤を選定する必要もあります。問題が生じてから、やみくもに対策するのではなく、予め挙動を知っておくことが有用であると思います。何度も言っていますが、何事も「原理原則」が大事ですね。