先日紹介した「ラジオ深夜便 うたう生物学」(著者:本川達雄 発行所:集英社インターナショナル)の中で、本川先生が「生物」の語源を基に述べておられます。普段、何気なく使われている言葉の意味を、現代人は考えなくなってしまっていますね。
- 中国の象形文字の「生」は、草が地面から生えて左右に広げている様子。「物」は万物。
- 大和言葉では「いきもの」と読む。「息をするもの」という意味。アニマルの「アニマ」はラテン語で「息」。万国共通しているのですね。
- 「いのち」の「い」は「息」、「ち」は渦巻いて流動する「力」。「血」は体中をぐるぐる回って、酸素と栄養を細胞に与えて力が出る。「乳」は「ち」を続けていて、赤ちゃんに力を与えています。 英語の「life」の意味は、「くっつく」「ずっとあり続ける」という意味
- 古代ギリシャでは、生物は生き続けるという意味の「ビオス」「ゾーエー」と目的を持っているという意味の「オルガニコン」があったようです。「ビオス」から「バイオ」、「ゾーエー」から「ズー」、「オルガニコン」から「オーガニズム」になったそうです。 つまり「生物には、生き続けるという究極の目的がある」がアリストテレスのメッセージのようです。