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どっちを選ぶ?

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寝る脳は風をひかない」(著者:池谷裕二 発行所:扶桑社)を紹介します。毎日複数の文献を読んでおられる池谷先生の本ですので、毎回面白く読ませていただいております。約110の話題が掲載されていますが、私が興味を持った話題をピックします。

・「老化すれば記憶力が衰える」のは、そう思う「思い込み」が原因だそうです。 高齢者(私も?)の方は、まだまだ大丈夫ですよ。安心してください。

・「ピーターの原理会社の上層部は無能な人材で埋まる!? 衝撃的なタイトルですね。 この原理は、「能力主義の組織では、能力の限界まで出世するが、昇進することで無能化していく、そして組織全体が無能化していく」ということだそうです。 「あるある」と思いながら、この記事読んでいました。

・「各5人の4つのグループがあれば、全体の平均値に勝る」という集合知の実験結果があります。20名集めれば、5180人の大集団にも勝つそうです。20人以上集めるのはヒューマンリソースの無駄とまで言っています。また、グループ討議後、シャッフルすると成績が向上するようです。 早速、研修で使ってみたいと思います。国会や各種委員会も、このように少人数で議論した方が進むのではないでしょうか?

・「多様な集団が同質な集団よりも精度の高い決断をすることは滅多にない」 最近「ダイバーシティー」がもてはやされていますが、このような側面も捉えておく必要がありそうです。

・「コントラフリーローディング効果」は、苦労せずに得られる物より、タスクを通じて得る物を好む効果です。多くの動物は、スイッチを押すと餌が出てくる装置と皿のうえに餌が置かれている場合、スイッチを押す方を選択します。 ところが、ネコは徹底的な現実主義なので、押す方を選ばないそうです。皆さんは、苦労しないで利益を得るネコ派ですか? それから、定年症候群は、仕事がなくなったストレスが原因のようなので、現役の方は、仕事漬けにならないように気をつけてくださいね。

ネコの動画 → https://www.youtube.com/watch?v=4J7VIDblXz0&t=7s

・「直感的に決断すると好みは一定し、利他的になり、考えすぎると利己的になる」ようです。寄付の額は、考える時間が長いと損得を考えて減額になるそうです。物を購入する際に迷って時間がかかる人は好みのばらつきが大きいためのようです。

・「目標が漠然としていると気分が凹む」 「ピアノが上達する」という曖昧な目標を立てると、どこまで上達すればよいかわからないので、気分が落ち込んでしまうので、できるだけ目標は具体的に、細かく設定する必要があるそうです。

優れたDNA媒体に資料を保管できたら? 人の染色体30億塩基対はコンパクトディスク相当なので、情報を百分の一ミリ以下に格納可能になるという発想で研究が進められているそうです。 面白い研究ですね。

この本のタイトルの通り、良質な睡眠をとれば免疫力が向上して風邪もひかなくなるそうです。睡眠不足気味の私も注意しなければ。

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