「トポロジカル物質とは何か」(著者:長谷川修司 発行所:講談社)を図書館から借りて読んでいます。 トポロジーは数学理論なのですが、メビウスの輪などで皆さんも耳にしたことがあると思います。「頭を柔らかくしてね」と研修の初めに必ず話題にしています。本ブログ「頭を柔らかく!!」「恋占いができるメビウスの輪」「トポロジー的遊びでコミュニケーションアップ」でも取り上げています。 トポロジカルという言葉に惹かれて借りて、読み始めました。貸出しを延長して4週間で、明日返却しなければいけないのですが、まだ半分しか読めていません。ようやく「トポロジカル」とい語句が出てきました。 ここまで理解したところを、資料にしてみました。理解はまだまだなのですが、メモ程度にまてめておきます。
資料はこちら → トポロジカル物質
p.1 高校の物理でフレミング左手の法則を習ったと思います。右手と左手の違いをほとんど忘れ去っていました。 左手の中指→人差指→親指の順に電・磁・力と覚えるのでした。右ネジの法則と同じなので、私は右ネジの法則で覚えていました。電流から磁場の方向に回したとき、時計回りの場合はネジが入る方向に力が働き、反時計方向の場合はネジが外れる方向に力が働くというものです。 復習はここまでです。 電気・電子を学んだ方はご存じだと思いますが、「ホール効果」の説明を真中に書いておきます。ある物質に電流が流れています。この電流に垂直上向きに磁場をかけると、フレミングの左手もしくは右ネジの法則により電子はローレンツ力を受けて手前に曲がり、手前のエッジに電子が溜まります。反対のエッジは正に荷電します。これにより、ホール電圧が生じます。 この物質が絶縁体の場合、内部では電子が回転してしまいますが、エッジ部分では電子あるいは正孔が溜まり、電圧を掛けなくても電子や正孔の流れが生じます。 この現象を「量子ホール効果」と呼びます。
p.2 量子ホール効果に類似した現象がトポロジカル物資で生じるようです。磁石の境界領域に電流が流れます。境界を乗り越えて電子が動くよりも、抵抗が少ない境界に沿って動く方を選択するのです。 この他、物質により表面ですがいろいろな方向に電子が流れるようです。
p.3 絶縁体のエネルギーは価電子帯と伝導体が離れて存在していますね。トポロジカル物質は、価電子帯と伝導体が逆転する部分が存在しているようです。絶縁体とトポロジカル物質が接触すると、ちょうどメビウスの輪の捻じれた部分のように価電子帯同士、伝導体同士が交差して繋がるのではないでしょうか? そうすると、絶縁体とトポロジカル物資が接触する領域で電子あるいは正孔が流れるようになると思われます。 トポロジカルの名称がついた意味が朧気ながらイメージできました。
p.4 グラフェンは、グラファイトの1層分です。 丸めればカーボンナノチューブにもなります。 このグラフェンがトポロジカル物資と同じ挙動を示し、しかも光速に近いスピードで電子が動けるようです。熱伝導度も金属に比較して高い数値が計測されています。 抵抗がないので超電導的な性質でもあるようです。 種々の応用が期待されるグラフェンは、粘着テープでグラファイトを剥がして簡単に作成できるようです。
グラフェンの簡易的な作製方法です。子供と一緒に実験してみたらいかがですか? → https://home.hiroshima-u.ac.jp/yagi/opencampus.pdf
p.5 グラフェンは、光物性的にも面白い性質を有しており、光デバイスへの応用も盛んに研究されています。
二酸化炭素からグラフェンを作製する技術ができれば、一石二鳥になりますね。