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費用対効果は大丈夫?

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医療政策は、経済と密接にかかわっていることが、今回勉強してみて少しわかってきました。今日は「費用対効果評価」についてです。今回読んでいる本からの話題ではなく、たまたま見ていたサイトで目についたので早速、資料にまとめてみました。

資料をご覧ください → 医療経済その6

p.1 医療機器医薬品保険適用するか否かの判断は、①画期的な技術(有用性系加算)か、②市場規模が大きい(50億円以上)かあるいは③単価が高い等を指標にして選定されます。

p.2 選定後、価格調整までの「費用対効果評価の流れ」が左のフローチャートです。この中で企業は費用対効果のデータを提出する必要があります。例えば右図のような増分費用効果比(ICER: Incremental cost-effectiveness ratio)をデータとして示します。既存技術と新規技術の効果増分費用増加分を割った比が増分費用効果比です。

p.3 効果の評価を行う指標を左上に挙げておきます。質調整生存率(QALY:Quality-adjusted life years)を説明しておきます。QALY(効用値)×(生存年数)の式で表されます。右図の例で説明します。Aさんは15年間健康で残りの15年間は寝たきりで亡くなられます。Bさんは30年間病気で亡くなられます。健康が1.0、病気が0.5そして寝たきりを0.1として年数を掛けて足し合わせます。AさんがQALY=16.5、BさんがQALY=15.0と計算されました。Aさんの方が若干Qualityが高いということです。

p.4 p.2ページの式に数値を入れてICERを算出した結果です。横軸はp.3のQALYを用いています。

p.5 費用対効果算出の際にICERを用いる理由を図にしてみました。あくまでも私が推測した理由です。単純に費用を効果で割ったBの値は、ICERのB’と比較すると、左図の場合は効果を過大に右図の場合は過小に評価してしまうと考えられます。これらの直線の勾配の逆数が費用当たりの効果ですから、勾配が小さいほど費用対効果は大きいのです。このICERは、医療だけに関わらず全ての研究開発にも当てはまりますので、式を覚えておくとよいですね。

先々週から続いた医療経済はひとまず、ここで終わりです。まだまだいろいろな要素がありそうです。

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