「Mind in Motion」(著者:バーバラ・トヴェルスキー 発行所:森北出版)を紹介します。著者は、空間に関する心理学者です。幾つか気になった話題を取り上げます。 先ず問題です。ローマとフィラデルフィアのどちらが南にあるでしょうか? 東京とローマのどちらが南にあるでしょうか? ボストンとリオデジャネイロはどちらが東にあるでしょうか?
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p.1 フィラデルフィアも東京もローマより南にあります。ローマが南と思った方が多いと思います。フィラデルフィアは米国の北部、イタリアはヨーロッパの南部に位置しており、北部と南部というバイアスがかかる「アライメント」という作用が働くそうです。
p.2 米国の東のボストンと、リオデジャネイロがブラジルのふくらみの内側にあるという錯覚により、ボストンが東という方が多いそうです。
p.3 自宅から眺めた際の東京スカイツリーまでの距離Aとスカイツリーから自宅を眺めた際の距離Bとどちらが長いと思いますか? という質問に対して、距離Aの方が短いという比率が大きいそうです。
p.4 「マゼンダは赤に似ている」「子供は父親に似ている」「北朝鮮は中国に似ている」とは言うが、「赤はマゼンダに似ている」「父親は子供に似ている」「中国は北朝鮮に似ている」とはあまり言いませんね。 人は目立つもの、大きなものを基準に認知するようです。
人は空間における認知において騙されることが多々ありそうです。