昨日の続きです。シールしたフィルムのピール強度(例えばプリンのシールを剥がす際の強さ)を測定した結果をどのように解析すればよいか?という問題です。
資料をご覧ください → シール評価
シール幅が異なるシール品のピール強度を時間に対してプロットすると左上図のようなグラフが得られたとします。通常はシール幅の広いM2の方がピール強度は高くなります(赤い曲線)。 真中の図のような動特性のグラフを描いて解析したいですね。 この時に、左図のどの値を用いればよいか悩みませんか?これに関する回答は複数あります。 開発者が何を理想とするか、目的機能をどう設定するかによって変わります。幾つか候補を列挙しますので、皆さんの理想に合わせて決めてください。 この他にも良い案があるかもしれません。
- 剥がす最初の力をコントロールしたい場合(プリンのシールを剥がす際に、最初に大きな力が必要)→ 右図のピーク部(赤丸)の強度を代表値とする
- 剥がしている途中をコントロールしたい場合(シールを剥がしている途中で、フィルムが切れてしまう) → 右図の平坦部の強度を代表値とする
- 剥がし終わりをコントロールしたい場合(フィルムがいつまでも剥がれずない場合)→ 右図のピンク丸内の強度を代表値とする
- 上記1~3の何れも満足したい場合 → 1~3について、各々のSN比を算出して優先度が高い順に重みを付けて加算して総合SN比とする
1の場合は、ピーク値ですので数値は1個ですが、2及び3の場合はサンプリングタイムにもよりますが、全てのデータを用いた方が良いと思います。 このようにして算出したSN比が、良いと思われるものは大きく、悪いと思われるものが小さくなることを必ず確認してくださいね。