量子力学その3です。 今回は「経路積分を用いたアプローチ」です。早速資料ご覧ください。
資料はこちら → 量子とは?その3
p.1 以前「機械に勝る人間最大の武器は?」で紹介しました。碁盤のようなマスが複数あった場合、経路は何通りあるか?という問題があります。正方形1個では2通り、11×11ではとんでもない経路数になります。脱線しますが、次の動画見てみてください。
動画 → https://www.youtube.com/watch?v=Q4gTV4r0zRs
AからBに行く経路は無数あります。途中月に寄ったりする経路も有りです。これを全て同時に通ることを考えます。
p.2 位置xが時間tの関数であるとx(t)と表わせます。力=質量×加速度ですが、質量×加速度-力=0として関数N{x(t)}=0と変形します。x(t)を変数として、無数あるx(t)のうちN{x(t)}=0となるものを見つけます。 ポテンシャルエネルギーは左図のようなイメージです。このポテンシャルエネルギーと運動エネルギーの和を時間で積分した作用汎関数S[x(t)]を定義します。これは経路x(t)毎に無数存在しています。イメージは右図のようになり経路x0(t)の時にS[x(t)]が最小値になります。
p.3 ファインマンは「粒子に付随する複素数が半径1の円周上を移動する距離距離はS[x(t)]とプランク定数の比で与えられる」というよくわからない仮説を立てました。経路が長い程、半径1の円周を何周もするので、プランク定数に掛かる係数が大きくなるというものです。周波数と係数が相関しています。
p.4 作用関数S[x(t)]の最小値に近い領域と一般的な領域を比較すると前者は波の周波数が似ているので干渉で増幅し、後者の一般領域では種々の波があるため、干渉により弱め合ってしまう結果となります。これに因って存在確率の濃淡が生じるわけです。 この部分はフーリエ変換に似たところがあります。エネルギーが最小で安定しているところの存在確率が高いというのはイメージによく合っていますね。
やっと3つのアプローチの説明資料が作成できました。本を読んでも忘れてしまいますが、このように資料を作成しておくと、見返す時に思い出し易いですよ。お勧めします。絵を多用するとイメージが付き易いです。