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HOW TO バカバカしくて役に立たない暮らしの科学」(著者:ランドール・マンロー 発行所:早川書房)を紹介します。 以前はNASAのロボット技術者だった著者が荒唐無稽な切り口で書いています。その本の一部を資料にまとめてみました。興味のある方は、是非読んでみたら、アイデアのきっかけになるかもしれません。 上手くいきそうもないアイデアも多いですが、一つの事象をいろいろな視点で考えています。頭を柔軟にしましょうね。

資料はこちら → HOW TO

p.1 「どこまで飛べるか?」技術者だけあって、式を立てて見積もっています。100mを10秒で走るスプリンターがその運動エネルギーを高さ方向に切り替えた場合、5.1mまで上がり、その人の重心高さを加えて、6.07mと算出しています。結構いい見積りです。 2つ目は「プールを作る」というテーマです。穴を掘るか、地上に作るかの何れかの方法になります。穴を掘る場合は割愛します。地上に作る場合、材質をアルミ箔にすると水深約13cmで破壊すると計算されます。 著者の真骨頂は、ハードチーズで作ったらどうなるかを計算しているのです。60cmの厚さの壁でプールを作れば水深90cmでも持ちこたえるようです。誰も、チーズでプールを作る人はいないと思いますが。

p.2 さらに著者は考えます。プールにどうやって水を入れるかをです。我々であれば、水道ポンプで入れる等で思考は止まってしまいますね。75ℓ/分の流量で入れると16.7時間要します。 ペットボトル15万本の水をプールに入れるとすると、フタを開けるだけで5.2日もかかってしまいます。普通の人であれば、ここで終わるのですが、著者は刀で切ったら、散弾銃で打ったらとか核爆弾まで登場してきます。 ペットボトルから離れると、水を作れないかという発想に変わります。燃料電池、人口降雨、巨大な冷却塔そして氷河を溶かす等など、アイデアは拡散するばかりです。何れも、いろいろ問題点を挙げています。

p.3 犬、コウモリあるいはにピアノを聞かせるためには、現在のピアノ鍵盤を高音、低音域に拡張するという話です。 よくこんな発想が思い浮かぶものです。「川を渡る」というテーマでは、先ずは走り幅飛びでどのくらいの距離を飛べるかを計算で求めています。技術者だったので、数式で定量的に考えるのは真実味があります。 自転車だったら、自動車だったらと計算しています。 自動車の場合、着地の衝撃で破壊されるリスクは高いようです。 この後、川を凍らせる蒸発させるにはどれくらいのエネルギーが必要で、どのくらいの不具合事象が発生するかも書かれています。 飛べる距離の算出式があっているかどうか、検証してしまいました。次のExcelファイルご覧ください。 速度の値を入れると、飛べる距離が算出できます。

Excelファイル → how to

ほんの一部を紹介しましたが、何れのテーマについても最初は真面目に、段々とエスカレートしていきます。タイトルとおりバカバカしいですが、面白い本です。

 

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