今日は江戸城にまつわる話です。江戸城の天守閣は火災で焼失した後は再建されていませんが、白の漆喰でできていたそうです。戦国時代は黒が多いのですが、家康は平和を象徴する色として白を選んだようです。 再建プロジェクトで描かれた天守閣を資料に載せました。ご覧ください。
資料はこちら → 江戸城
p.1 城と言えば、石垣です。 石垣に使われる石は、権力者の権威を象徴するために、大きな石が切り出され運搬されます。積み方もいろいろあります。代表的な積み方に「算木積み」があります。角にある弓なりの曲線が綺麗ですね。まさに日本的な美で、和弓の美しさと似ています。この他に、「笑い積み」という面白い積み方があります。左下の写真です。真中に大きな「鏡石」、その周りに小さな石が取り巻きます。笑った顔のようです。 城の正面にある大手門の近くに組まれることが多いそうです。この「鏡石」は、3種の神器にもありますが、光を反射して悪霊を撃退して城を守る象徴だそうです。 多くの大名が石垣普請に駆り出されますので、石垣には目印の刻印が至る所に刻まれています。
p.2 あんな大きな石をどうやって切り出すかというと、先ずは切断する線上に矢孔を開けます。その後、「矢」という楔(くさび)を入れて叩くかあるいは、乾燥している木の楔を入れて、水をかけ膨張させて割る方法があるそうです。割る方向を見立てる人の能力がないと、写真真中のように、どこをやっても割れずに、置き去られてしまいます。この石は「残念石」と呼ばれています。 次に運搬方法ですが、「修羅」という木製のソリの下に丸太を敷いて動かします。その際に海草を使うとぬめりがあって摩擦係数が小さくなり動きやすくなるそうです。海草が乾かないように水を時々かけてあげる人が付いていきます。
p.3 「算木積み」の弓なり曲線は、強度的にも頑丈であることを昔の人も構造計算をしてわかっていたようです。秘伝として、継承されてきました。現代であればコンピュータでシミュレーション可能ですが、手計算では大変そうです。
資料 → https://www.jstage.jst.go.jp/article/jscej1984/2003/750/2003_750_89/_pdf
今度、皇居に行った際にはよく見てこようと思います。