自然の中を歩くことにもいろいろなパターンがありますね。各地にある①遊歩道やトレッキングコースを歩く、②山道を登る、③川辺、池、湖や海岸を散策する、④公園を散策する、⑤雪上でアニマルトラッキングする等々いろいろ楽しみ方はありますね。
富士山の北側にある青木ヶ原樹海(左図の赤丸エリア)をご存知でしょうか? 時折、自殺者があるので、近寄り難い場所ですが、風穴、氷穴あるいはコウモリ穴のように観光スポットに近いエリアで遊歩道になっているところは安全に散策可能です。 今日は、先輩のボーイスカウトのリーダーの方から教えていただき、何度かスカウトを連れて実践してみた一風変わったハイキングについて述べたいと思います。 ハイキングは、最低3名以上いた方が安全です。参加者は、コンパス(方位磁石)と旗を持って行きます。よく、樹海の中は磁界が乱れているのでコンパス(方位磁石)は信用できないと言われていますが、地面より離れた位置で使う分には問題ないと思います。
ハイキングは、スタート地点からコンパスを用いて常に80°一定の方向に進んでいきます。先ず①スタート地点でコンパスで80°の方向を見て、その先に目標物を決めます。②1人目(Aさん)が、その目標物に向かって歩いて行き、目標物と思われる場所に立って、スタート地点を振り返って旗を振ります。③スタート地点にいる1名(Bさん)が80°の方向にAさんが立っているかを確認して、もしズレているようであれば、山側(富士山側)に2歩とか、海側(富士五湖側)に1歩とか言って修正します。④先にいったAさんの位置が確定したら、スタート地点にいる2名(BさんとCさん)が、Aさんを目標に歩いていきます。⑤BさんがAさんの場所に到着したら、上述の①~④を繰り返して進んでいきます。 目標物を決めて進みますが、樹海の中は結構凹凸が激しいので迂回したりすると目標物を見失うことがありますので、後ろから見えて声が届く範囲内で前に進む必要があります。
地図をご覧ください。赤い斜線が「磁北線」(磁石の北)です。地図の北から少しずれています。コンパスのダイヤルを回してベースの矢印の方向が80°になるようにセットします。次に磁石の針がダイヤル内のN(北)に一致するように体を回転させます。コンパスのベースの矢印方向が進む方向となります。スタート地点から80°の方向で進んでいくと、精進湖近くのゴール地点から南南東に向かう富士山の登山道に突き当たります。よほど間違わない限りは登山道に突き当たるはずです。少し安心感はあるでしょう。突き当たったら道なりにいけばゴールに到達します。スタートから登山道までは2km未満ですが、意外と遠く感じます。怖いですが、冒険的なハイキングを楽しめます。迷わないでくださいね。大騒動になりますから。とにかく、手順を間違えないように、チェックしながら前進しましょう。あとは、穴が結構ありますので、はまらないように注意深く進んでくださいね。
コンパスのセットの仕方は以下の手順です。
「磁北線」の描き方はいろいろあります。地図の欄外に「西偏差7°」のような記載がありますので、それを基に「磁北線」を地図上に描きます。以下参照ください。
- 分度器を使う→https://nara-mountaincollege.wixsite.com/nmtc/blank-3
- コンパスを使う →https://nyanme.com/tozan-jihokusen/
- 計算でtan(7°)を計算する等があります。→https://yanmos.net/archives/234 を参照ください。
樹海の中で、先輩のリーダーが「見て見て」というので、見たところ頭蓋骨でした。おそらく、あまりに綺麗な頭蓋骨でしたので。先輩のリーダーが怖がらせるために置いたのだと思います。スカウトを連れて樹海ハイキングを実施した際、写真を撮りました。その際に、軍手を肩のところにおいて撮ったのですが、あとで見ると怖いです。