スマホの画面が向きにより画像が自動的に縦横に変化したり、歩数をカウントしてくれるアプリがあると思います。脈拍を測ってくれることもあります。スマホにはいろいろなセンサが組み込まれていますね。上述の画像の変化や歩数カウントは、内蔵の「加速度センサ」が担っていると思います。 加速度をどのように計測するか気にしたことありますか? 30年程前にマイクロマシンに関与したこともあり、とても気になりました。スマホ内の加速度センサの構造は検索しても、なかなか得られなかったので、昔を思い出してまとめてみました。
資料をご覧ください → スマホセンサ
p.1 F=mαは有名な式ですね。加速度αを求めたいので、働く力Fと質量mがわかればよいわけです。例えば、片持ち梁(片方が固定されたもの)は力Fを受けるとたわみます。片持ち梁の根元に歪(たわみ)を検知するセンサを置いておけば、力を計測できます。梁の重さがわかっているので、加速度を求めることができます。 右の平面図をご覧ください。 真中に質量mの重りがあって4本の梁で支えています。梁の上には、歪を検出するセンサがあります。 歪を電気信号に変える素子としてはピエゾ(圧電)素子あるいは熱抵抗体があります。
p.2 重りとばねを用いた構造体です。電極間の距離変化を静電容量の変化として検出する加速度センサの構造図です。
加速度センサの測定原理はシンプルですが、小さいセンサを作製する技術は微細加工技術が必要になってきます。上述の加速度センサは、2軸方向しか検出できませんので、3軸の加速度センサが必要になる場合もあります。 興味がある方は検索してみてください。 スマホは本当に多くの機能を有しているものです。